元祖ニュータンタンメン本舗
一時期、荒行に挑む修行僧のようなストイックさで、蒙古タンメン中本の「北極」ばかり啜っていたら世間の世知辛さも含め、あらゆる辛さに対して感覚がだいぶ麻痺してしまった。
辛い食べ物が平気になったというよりは、むしろ辛い食べ物への欲求が高まって時折、銜えタバスコで街を徘徊する激辛ジャーニーになっていた。
そして今回も唐突に辛さへの欲求に支配された私は、「ラーメン界の七武海」と呼ばれている…、かは分からないが、品川にある麺達7人衆の1角「蒙古タンメン中本 品川店 」へ足を運んだのだった。
するとなんという事か…。
既に血走った瞳の激辛ジャンキー達が店の前に溢れかえっており、行列ができているではないか。
「安西先生、並ぶのが辛いです…」
誰彼構わず呟いて、カラムーチョをタバコに見立てて銜えてみせた。
さきほどつい書いてしまった銜えタバスコは冗談で本当は銜えムーチョだ。
ちなみにカラムーチョのパッケージに出てくる「ヒーヒーおばあちゃん」の本名は森田ふみというらしい。
カラムーチョを食べて、「ヒーヒー」言ってしまったことがきっかけになり「ヒーヒーおばあちゃん」と呼ばれるようになったそうだ。
生年月日は1853年6月3日。
1853年はペリー来航の年で計算すると164歳になる。
曾孫はおろか玄孫、来孫、昆孫くらいまでいるかもしれない。
おばあちゃん自身も、ひいおばあちゃんではなく、ひいひいおばあちゃん、ひいひいひいおばあちゃん…、ひいひいひいひいおばあちゃんだったりする。
そんな背景も含めたキャラクターネーミングなのかもしれない。
なんにせよ辛い物による発汗作用のおかげで新陳代謝が高まって健康を持続しているのかは分からないが、随分と長生きのひいひいおばあちゃんである。
▼銜えムーチョするならスリムバッグが良い。
自分にはすこぶる甘い性格だった私は、自らを追い込んで一人で並ぶ程のストイックさも持ち合わせておらず、そのそばにあった元祖ニュータンタンメン本舗 品川『品達店』へ行ってみることにした。
初めて入る店だが、創業55年の老舗のチェーンストアらしい。
元祖ニュータンタンメン本舗のタンタンメン
写真を撮ったが、赤さのみしか伝わらない写真になってしまった…。
タレとスープで調整する通常のラーメンとは異なり、中華鍋で素材から調整する手作りの逸品。四川風の担々麺とは全くの別物で、厳選したスープにひき肉と生にんにく、溶き卵を絡ませ、粗挽きの唐辛子でパンチを効かせた絶妙な塩味に仕上がっている。モチモチ感を追及した自家製の太麺もマッチ。美味しいだけじゃない元気になる一杯。
タンタンメンは無料で辛さを選択できるのが良い。
控えめ…辛さが苦手な人
普通…初めての人は普通から
中辛…一番人気
大辛…辛い。
メチャ辛…とても辛い。
一見さんであることを振り切って、激辛ジャーニーとして「めちゃ辛」を選択。
▼写真はタンタンメン「めちゃ辛」。
赤い、圧倒的に赤い。
トッピングでニンニクダブル、タマゴダブル、ひき肉ダブルによる「オールダブル」を選択。
▼After
「ヒーヒー」言う事はなかったが、どろどろの汁まで啜り切る最中で汗だくになっていた。
完食。
そしてまた次なる辛さを求めて激辛ジャーニーの旅は続く。
to be continued
元祖ニュータンタンメン本舗品川店の行き方
東京都港区高輪3-26-21 品達どんぶり五人衆
京急本線『品川駅』(221m)