僕と世界の方程式(原題:X+Y)
[オススメ度]
★★★★☆
[スタッフ]
監督:モーガン・マシューズ
脚本:ジェームズ・グレアム
[出演]
エイサ・バターフィールド、レイフ・スポール、サリー・ホーキンス
[上映時間]
111分
自閉症スペクトラムを抱えながらも突出した数学的才能を持つ少年が国際数学オリンピックを目指す「友情・努力・勝利」の号泣映画だと思って鑑賞したのだが、実際は母と子の心の交流に重きを置いた心が温まる映画だった。
自閉症スペクトラムと診断された少年ネイサンは、自分の理解者であった父親を幼い頃に事故で亡くしてしまう。
母親にも心を開かずに数学の世界に閉じ困ってしまったネイサンのために母親は、数学教師に個別指導を頼む。
するとネイサンは国際数学オリンピックのイギリス代表チームの一員に選ばれるまでにその才能を伸ばしたのだった。
代表チームの台北合宿に参加したネイサンは、中国代表チームの少女と出会い、その少女との交流を通じて、数式では決して解けない他者との交流を学んでいく。
同時に、自閉症スペクトラムを抱え自分には心を開いてくれないネイサンを女手一つで育てる母親の苦悩や、ネイサンの数学の師であり多発性硬化症を抱える数学教師の苦悩も描かれる。
中国人少女との交流によるネイサンの心の機微は、とある行動を起こし、その行動が母との心の距離をグッと縮め、胸を打たれ、鼻も詰まるラストが展開される。
もし誰かと鑑賞するのなら太めのフライドポテトを2本、ハンケチーフの代わりに胸ポケットに忍ばせておくのがエチケットとなる映画だ。
ケチャップも持っていれば尚良しだ。
映画が終わり、明るくなった時にその2本のフライドポテトを…。
鑑賞されていない方は何を言っているのか分からないと思うが映画を観ていただければ分かる。
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数字と図形だけが友だちだった天才少年ネイサン。彼は、亡き父の思い出と母の深い愛情に支えられて国際数学オリンピックで金メダルを目指す。でも、彼がそこで見つけたものは、メダルよりも素敵な人生の宝物だった。周囲に心を閉ざしてしまった少年が数学の才能で自らの道を拓いていく姿を描き、世界を爽やかな感動で包んだハートウォーミングな人生賛歌。主演はティム・バートン監督作『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』の、ハリウッドが最も注目するイギリスの次世代スター、エイサ・バターフィールド。エディ・マーサン、サリー・ホーキンスらイギリス屈指の名優たちとの競演も見逃せない。監督は数々のドキュメンタリーで高い評価を受け、これが長編劇映画デビューとなる俊英モーガン・マシューズ。製作は『リトル・ダンサー』のデヴィッド・M・トンプソン。イギリス映画界を代表する最高のキャスト・スタッフが結集した、実話から生まれた愛と感動の物語。