こけし図譜―イラストレーションでわかる伝統こけしの文化・風土・意匠・工人
誠文堂新光社は2020年1月9日(木)に、こけしのことをもっとも知るイラストレーターである佐々木一澄氏著書による、こけしファン必携となる東北6県・全11系統の伝統こけしの歴史と工人の生の声を収録した第三次こけしブームの今こそ読みたい一冊「こけし図譜」を発売した。
「こけし図譜」では、日本に伝わる伝統こけしを絵と文章で解説。東北6県で全11系統に類型化されている伝統こけしの工人(こけしの作り手)を訪ね、各系統の伝統・風土・意匠・工人の人物像を浮き彫りにした。
著者である佐々木一澄氏は、郷土玩具の造詣が深いイラストレーター。全国最大のこけし愛好家団体「東京こけし友の会」に所属し、こけし文化の発展に尽くしている。“こけしのことをもっとも知るイラストレーター”とも呼ばれる佐々木一澄氏が、かわいくも本質を捉えた絵でこけしを描写している。
また、現在「第三次こけしブーム」とも言われており、地域に根ざした文化としてこけしに注目が集まっている。民藝運動などに端を発する昭和初期の「第一次こけしブーム」、高度経済成長の昭和30年代におきた「第二次こけしブーム」では、工人の魅力が語られた多くの名著が出版され、今でもその言葉たちは輝きを失うことはない。
東日本大震災からの復興を契機におきた第三次こけしブームによって、こけしがさまざまなメディアで取り上げられるようになった今、なぜか工人の言葉や、こけしに内包された物語が語られることはほとんど無くなってしまった。工人の高齢化も進み、伝統が途絶えてしまうという状況も考えられる。だからこそ、工人の話を聞き、言葉をのこすべきだ、そうした考えのもと、著者・佐々木一澄氏が各地の工人を訪問している。
こけし好きはもちろん、これからの方もこけしの魅力にハマること間違いなしのこけしの歴史がわかり、伝統を受け継ぐ工人の姿と肉声にふれられる一冊になっている。
佐々木 一澄Profile●イラストレーター。雑誌、書籍を中心に活動し、児童書の挿絵や絵本も手がける。著作に、『てのひらのえんぎもの 日本の郷土玩具』(二見書房刊)、『おいで おいで』(福音館書店刊)、『からだあいうえお』(保育社刊)など。東京こけし友の会、竹とんぼの会(日本郷土玩具の会刊)会員。
伝統こけし11系統
津軽系(青森県)・木地山系(秋田県)・南部系(岩手県)・鳴子系(宮城県)・遠刈田系(宮城県)・作並系(宮城県)・弥治郎系(宮城県)・肘折系(山形県)・山形系(山形県)・蔵王高湯系(山形県)・土湯系(福島県)
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