松本タイポグラフィ研究会主催セミナー「書体と活字」シリーズ
松本タイポグラフィ研究会は平成30年開催予定のセミナー「書体と活字」シリーズの第一弾として「文字の食卓」を主宰する文筆家・正木香子氏を講師に「おいしい文字のチカラ」を開催する。「おいしい文字のチカラ」は2018年3月17日(土)に松本商工会館6階601会議室にて開催となる。この「書物と活字」シリーズの2018年のセミナー全3回を予定しており、第2回には鳥海修氏を招いて2018年7月28日(土)「本文書体の作り方と見方〈仮〉」が開催される予定。
主催となる松本タイポグラフィ研究会の白木隆士さんは「情報発信を担う書き手、デザイナーなどの作り手、そして読み手の三者がノウハウを共有、継承していくことで、より良質な活字文化が発信できる」と話している。
松本タイポグラフィ研究会は2017年冬に設立。メンバーは文字や書体、タイポグラフィに興味がある人や関連する仕事をしている人が中心で、仕事を終えた平日夜や休日に活動を行っている。「都市圏ではセミナーや勉強会も多いが、地方では学ぶ機会が少ない。知識や技術の習得が遅れることは、地方の仕事が都市圏に流出することにもつながっている」と白木さん。「松本は、こういう学びの場を受け入れる気風があると感じている。いずれは地方都市独特の文化を反映させた『松本書体』の開発をして、地域経済に貢献できれば」と意気込む。
第1回では、文字や組み版・デザインに興味を持つきっかけとなることを目指している。「デザイナーや文章の編集・組み版に携わる人はもちろん、本好きや文字が好きという人、極端に言えばそういうものに興味がない人でも面白い話が聞けると思う。気軽に参加してもらえれば」と呼び掛ける。
第1回セミナー「おいしい文字のチカラ」セミナー講師:正木香子氏
■セミナー概要
独自の書体批評で文字の面白さ、奥深さを伝えている文筆家、正木香子氏が講師を務める。マンガや文学に登場する様々な文字を通して滋味豊かな書体の世界を楽しみながら、戦後の活字文化を知り、日本語タイポグラフィを学ぶための基礎知識を身につけられる。文字の味わい方がわかれば、何気なく目にしていた文字の印象が、ガラリと変わるはず。
▼セミナー日程
2018年3月17日(土)13時半~17時半
▼会場
松本商工会館6階601会議室
▼参加費
一般2,700円 / 学生2,200円
▼参加方法はこちら
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第2回「本文書体の作り方と見方〈仮〉」 セミナー講師:鳥海修氏
■セミナー日程
2018年7月28日(土)
■概要
会場など、詳細は後日HPにて公開となる。
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本や新聞、PCやモバイルなどで毎日、目にする文字。当たり前のように存在しているが、じつは読みやすさや美しさを追求するデザイナーの手によって生み出されている。
フォント制作会社「字游工房」の代表にして、書体設計士の著者は、どのように文字作りの道を目指し、歩んできたのか? これまでに制作した文字。その文字に込めた思想。理想の文字。影響を受けた人たちとの交流……。
「水のような、空気のような」書体を目指して活動してきた37年間を振り返り、これからの文字作りにつなぐ思いをつづる。
鳥海修Profile●1955年山形県生まれ。多摩美術大学卒業。書体設計士。79年株式会社写研入社。89年に有限会社字游工房を鈴木勉、片田啓一の3名で設立。現在、同社代表取締役。大日本スクリーン製造株式会社のヒラギノシリーズ、こぶりなゴシックなどを委託制作。一方で自社ブランドとして游書体ライブラリーの游明朝体、游ゴシック体など、ベーシック書体を中心に100書体以上の書体開発に携わる。2002年に第一回佐藤敬之輔顕彰、ヒラギノシリーズで05年にグッドデザイン賞、08年に東京TDCタイプデザイン賞を受賞。京都精華大学特任教授。
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