mojiru【もじをもじる】

「mojiru」はこのブログ名。「もじる」は著名な言い回しに似せて表現すること。ブログでは、本・映画・グルメなどのヒット商品や気になったトレンドを文字をもじったりもじらなかったしながら、フォントを使ったり使わなかったりしながら取り上げていく。更新頻度は1日1回が基本です。[もじる使用例]1.吾輩は下戸である。お酒は飲めない。2.太閤がまずしかったから。3.棋士の一二三に惨敗。

書体設計士・鳥海修氏のエッセイ「文字を作る仕事」

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文字を作る仕事

文字を作る仕事

著者はmacOS、iOSに標準搭載されているヒラギノシリーズの開発で知られる書体設計士であり字游工房代表取締役である鳥海修氏。

和文書体の設計には膨大な時間を要する。
暴論すると英語アルファベットなら大文字、小文字合わせて52文字のところ、和文には平仮名、片仮名、そして漢字がある。

本文書体をデザインしようとしたら平仮名、片仮名、漢字、アルファベット、どれも疎かにできない。

そんな本文書体に挑む著者が文字作りに語ったのがこの著書。

1 書体を作るということ

・私は書体設計士
・たかが文字、されど文字
・なぜ、新しい書体を作るのか

2 書体作りのきっかけ

・めざすはカーデザイナー
・二人の先生
・文字は水であり、米である
・ずっと描くことが好きだった
・モノ作りの思い出
・読書から得たもの
・書体作りに生きるふるさとの原風景

3 人がいて、文字がある

・理想の本文書体とは─橋本和夫さんのこと
・おまえとは一緒にやらない─鈴木勉さんのこと
・游明朝体R─京極夏彦さんのこと
・藤沢周平を組む─萬玉邦夫さんのこと
・読みやすく、美しくなければいけない─石川九楊さんのこと
・鳥海さんが作る書体はきらい─祖父江慎さんのこと
「くだらない」話─平野甲賀さんのこと

4 文字を伝える

・書体の作り方を繋ぐ
・理想の文字

書体作りを志すきっかけから書体作りへの氏の想いが伝わる一冊。これから書体デザイナーを志す人などにオススメ。

2016年6月26日に印刷博物館で行われた「本づくり協会の集い・本づくり協会セミナー」の鳥海修氏の講演でこの著書はInDesignで直接組みながら書いたとおっしゃっていた。

あとがきで触れていたが、この著書で使用されている本文書体は、漢字が「游明朝体R」、仮名が株式会社キャップスの「文麗仮名(デザインは字游工房)」。

▼游明朝体R

www.jiyu-kobo.co.jp

▼文麗仮名

www.caps-font.com

付録として巻末に看板探訪も収録。

・人形町 よし梅
・京都 二軒のおでん屋
・上野 蕎麦屋の陰と陽
・山形 ふるさとの味

看板の文字に解説しているだけでなく、のその店の味についても触れており食レポの様相もあり、箸休めにもなる。

 

鳥海修●profile

1955年生まれ。山形県出身。多摩美術大学卒業。有限会社字游工房代表取締役。大日本スクリーン製造株式会社のヒラギノシリーズ、こぶりなゴシック、字游工房の游書体ライブラリーなど、ベーシック書体を中心に現在まで40書体以上の書体開発に携わる。第一回佐藤敬之助顕彰。ヒラギノシリーズで2005年グッドデザイン賞受賞。京都精華大学教授。

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文字を作る仕事
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本や新聞、PCやモバイルなどで毎日、目にする文字。当たり前のように存在しているが、じつは読みやすさや美しさを追求するデザイナーの手によって生み出されている。
フォント制作会社「字游工房」の代表にして、書体設計士の著者は、どのように文字作りの道を目指し、歩んできたのか? これまでに制作した文字。その文字に込めた思想。理想の文字。影響を受けた人たちとの交流……。
「水のような、空気のような」書体を目指して活動してきた37年間を振り返り、これからの文字作りにつなぐ思いをつづる。
鳥海修Profile●1955年山形県生まれ。多摩美術大学卒業。書体設計士。79年株式会社写研入社。89年に有限会社字游工房を鈴木勉、片田啓一の3名で設立。現在、同社代表取締役。大日本スクリーン製造株式会社のヒラギノシリーズ、こぶりなゴシックなどを委託制作。一方で自社ブランドとして游書体ライブラリーの游明朝体、游ゴシック体など、ベーシック書体を中心に100書体以上の書体開発に携わる。2002年に第一回佐藤敬之輔顕彰、ヒラギノシリーズで05年にグッドデザイン賞、08年に東京TDCタイプデザイン賞を受賞。京都精華大学特任教授。 

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游明朝体 StdN B

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游明朝体ファミリーは、「時代小説も組める明朝体」をキーワードに開発された本文用書体「游明朝体 R」から展開した、スタンダードな明朝体ファミリーです。一文字一文字丁寧にデザインされた見出し用の明朝体。タイトルなど大きなサイズでの使用に最適です。ファミリーの中で太めの書体「游明朝体 StdN B」は見出し書体に特化した専用のデザインで、繊細で力強く引き締まった漢字と、ベーシックで小振りな仮名の組合せが特徴です。装丁、エディトリアルデザインのタイトルなど大きなサイズで真価を発揮する書体です。

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「游明朝体36ポかな」は、游明朝体の漢字と合わせて使えるクラシカルな仮名書体です。大正時代に制作された36ポイント(見出し向けサイズ)の金属活字をベースにデザインしました。毛筆の表現をしっかりと活かして書かれた表情豊かな線と、独特のスタイルをもった字形が、この仮名の大きな特徴です。「游明朝体36ポかな B」は、「游明朝体 StdN B」の漢字と組合せてご使用いただけます。タイトルや見出しなど、大きなサイズでお使いいただくと、その個性がより一層引き立ちます。

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▼関連記事:有限会社字游工房による『游明朝体 StdN B』『游明朝体36ポかな B』が6月5日にリリース

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金属活字時代を代表するゴシック体をベースに、新たに開発した仮名書体です。極細のLから極太のHまで、游ゴシック体ファミリー全7ウェイトの漢字と組み合わせて使うことを前提に最適化されていますので、キャプションから、本文、見出しまで用途に応じてお使いいただけます。游ゴシック体初号かなの特徴は、金属活字のクラシックな雰囲気を保ち、力強さとユーモラスさを兼ね備えた独特な仮名のスタイルと、ゴシック体でありながら句読点や記号類を明朝体風にアレンジすることで、よりクラシックな印象を醸し出すように設計されていることです。普遍性の高い既存の游ゴシック体ファミリーと、このクラシックなイメージの游ゴシック体初号かなファミリーによって、文字表現の幅が大きく広がると期待します。収容字種:平仮名+片仮名+約物※英数字は収容されておりません。ウェイト:E。

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ウェイト:R。 

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書体設計士・鳥海修氏の「文字を作る仕事」が第65回日本エッセイスト・クラブ賞を受賞

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