mojiru【もじをもじる】

「mojiru」はこのブログ名。「もじる」は著名な言い回しに似せて表現すること。ブログでは、本・映画・グルメなどのヒット商品や気になったトレンドを文字をもじったりもじらなかったしながら、フォントを使ったり使わなかったりしながら取り上げていく。更新頻度は1日1回が基本です。[もじる使用例]1.吾輩は下戸である。お酒は飲めない。2.太閤がまずしかったから。3.棋士の一二三に惨敗。

モリサワ・武蔵野美術大学が発達性ディスレクシアのフォント環境と社会課題を検証する産学共同研究

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モリサワが武蔵野美術大学と共同で発達性ディスレクシアのフォント環境と社会課題を検証する産学共同研究を開始

モリサワは、武蔵野美術大学のソーシャルクリエイティブ研究所と共同で「初等・中等教育機関を対象とした個別最適な情報取得ができるフォント環境(レイアウト環境)が整う世界の検証」について研究することに合意したことを2023年10月13日に発表した。

 

 

本共同研究は、文字文化の保全・発展に資する活動を支援する一般財団法人森澤信夫記念財団の協賛を受け、武蔵野美術大学造形構想学部クリエイティブイノベーション学科 / 大学院造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコースを中心とした教員、大学院生、学部生、および他大学の研究者やモリサワのメンバーが共同で行われる。

近年、UD(ユニバーサルデザイン)フォントの利用で読みの速度が向上するというエビデンスから、発達性ディスレクシア(以下、ディスレクシア)を含む児童・生徒の学習環境の改善などが期待されている一方で、UDフォントの認知は一部に広がっているものの、教育現場で使いたい希望があっても容易に使うことができない組織やシステム上の問題が存在しているとの声も聞かれている。
客観的な測定が難しいディスレクシアは、そもそも認識されないケースも多く、また、教員や学校側でも課題への理解が進んでいない現状が見受けられる。

本共同研究では対象者を初等・中等教育機関(主に小中学生)として、フォントだけでなく、対象者をとりまく「すべての文字」について考え、文字の読み書きに困難を抱える児童・生徒への配慮を社会が正しく用意するために、教育現場の課題を明確にする基礎研究(ソリューションを作る前の段階)を行う。
小中学校の教員へのインタビューを行い分析することで、教員の意識だけでなく、教員の環境によって起こっている現象を明らかにするとともに、教育現場の課題解決のための方向性を、教員の意識、体制への働きかけ、保護者の意識等の観点を中心に明らかにすることを目的としている。
なお、本研究は、東京工業大学野原研究室および株式会社コンセントの協力を得て行われる。

 

発達性ディスレクシア

知能の発達に遅れがないものの、文字を素早く、正しく読むことに困難のある学習障害の症状の一つです。英語圏では人口の10~15%(※1)、日本語話者の場合は5~8%(※2)がディスレクシアであるといわれている。

※1
Vellutino, F. R., & Fletcher, J. M. (2005). Developmental Dyslexia. In M. J. Snowling & C. Hulme (Eds.), The Science of Reading: A Handbook (pp. 362?378). Blackwell Publishing.(p. 363)

※2
Uno, A., Wydell, T. N., Haruhara, N., Kaneko, M., & Shinya, N. (2009). Relationship Between Reading/Writing Skills and Cognitive Abilities among Japanese Primary-school Children: Normal Readers Versus Poor Readers (Dyslexics). Reading and Writing, 22(7), 755-789.

 

モリサワ

モリサワは、大阪市に本社を置くフォントメーカー。Windows10以降に搭載されているBIZ UDフォントやUDデジタル教科書体など、より多くの人にとって読みやすく設計されたUDフォントも開発している。2,000書体以上が使えるフォントサブスクリプションサービスMorisawa FontsやWebフォント、機器やアプリケーションへの組込みフォントなど、利用環境に合わせたフォントサービスを提供している。 

 

一般財団法人森澤信夫記念財団

株式会社モリサワを創業した森澤信夫氏の「文字を通じて社会に貢献する」という理念を実現するため、2023年2月に設立。「文字文化の保全及び継承と発展を図り、それらを担う次世代の人材を育成するとともに、福祉、教育、芸術文化、スポーツ、国際交流、地域活性化等の事業への支援、助成を行い、もって社会の発展及び国民の健康・福祉の向上に寄与すること」を目的としている。

 

武蔵野美術大学ソーシャルクリエイティブ研究所

武蔵野美術大学は、社会問題の解決や新たな人類価値の創出を目的とし、2019年、武蔵野美術大学市ヶ谷キャンパス開設とともに、ソーシャルクリエイティブ研究所(RCSC)を設立。
激しい環境の変化や未来が予測しづらい現代が抱える課題を、企業、地域、行政、教育の壁を越え、領域横断的に取り組み、ビジョンとプロトタイプを研究提案している。
RCSCの研究ビジョンとして、「日本をデザインする Designing Japan」、「これからのデザイン教育 Design Education for Everyone」、「ライフスタイルデザイン Designing the Future Life」の3つを掲げ、多数の企業や自治体との共同研究に取り組んでいる。

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