粉引の器 その発想と作り方
誠文堂新光社は、2020年7月13日(月)に、白化粧が美しく使い勝手のよい粉引の器の技法とこだわりを知る一冊「粉引の器 その発想と作り方」を発売した。
様々な食事に対応できることから白い器を好む人は多いが、中でも「粉引」は、白といっても真っ白ではなく、化粧土を生かして作家により色んな表現ができる技法なこともあり、多くの器好きから注目されている。陶芸を趣味とする人にとっても、化粧土使いの面白さから、粉引の器を作ってみたいという人は少なくない。
「粉引の器 その発想と作り方」は、そんな人気の技法に着目し、素人でも知っておきたい基本の作り方から、作家たちの創作の裏側までをまとめた一冊となる。
通常、粉引といえば、赤土に白化粧を施し、その上に透明釉をかけたものですが、そこから派生したオリジナルな方法まで紹介し、粉引の多彩な表現方法、豊かな発想を掲載している。実際に自分で器を作る人から、作家ものの器を買うことが趣味という人まで、読んでためになる情報が満載。
特に昨今は、陶芸用の土ではなくあえて原土を選び、土が持つ自然の力強さを引き出したり、土灰釉にこだわり、樹種の違いのよる発色の違いを作風に取り込む作家もいる。電気やガスではなく、薪窯で一期一会の焼き上がりを作品に込める人も増えているようだ。
材料選びや、どの工程にこだわっているかを知ることで、その器の魅力がさらに深く知れるはず。
陶芸を知らない人にも、その作品の裏側に隠された技術がわかるように、陶芸雑誌「陶工房」編集部が人気の作家たちの工房に取材し、わかりやすく解説している。実際に陶芸をしなくとも、器を愛でる視点が広がる一冊になっていると言えるだろう。
最近は、小規模なものも含め、各地で陶器市イベントの開催が増えていた。新型コロナウィルスの影響で中止になった陶器市の代わりに、通販できるオンライン陶器市も生まれている。産地に足を運ばなくても、作家ものの器を気軽に、買いやすい値段で手に入れられるようになっている。作家たちも陶芸家になったその日から、SNSで自分の作品を発信しています。目利きかどうかを問われることなく器を買うことができ、どこで修業したかにとらわれることなく作ったり売ったりできる、自由な時代になってきた。
もともと日本はやきもの大国、バリエーションは豊富。器を買うことの敷居が低くなった今こそ、陶芸技法から器を愛でる「粉引の器 その発想と作り方」を読んでみよう。その日から、インターネットの器通販サイトを見る目が変わるはず。
「粉引の器 その発想と作り方」目次抜粋
第一章 基本の作り方
第二章 土と形
第三章 化粧と装飾
第四章 釉薬
第五章 焼成
巻末 粉引がもっとわかる12のお話
ほか
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