テルミのめいろ
田中喜代司氏著書による、視覚障害を持つ子供に向けた点字付きの触れる絵本「テルミのめいろ」が小学館から2018年9月19日に発売された。
「テルミのめいろ」は、日本児童教育振興財団から1983年より発刊されている隔月刊通販雑誌『手で見る学習絵本 テルミ』200号記念出版として企画された絵本。
「テルミ」誌上で毎号人気のある「めいろあそび」の中で過去に掲載された17の迷路を抜粋された。
「テルミのめいろ」の発売には、視覚障害児向けの点字つき絵本が読者の絶対数が極めて少ないことや、点字印刷を施すことによる印刷代、製本代、流通代などが一般の書籍に比べ大幅にかかってしまうことなどから出版各社容易に企画できないジャンルであり、書店の児童書売り場や図書館でもほとんど目にすることができず、雑誌「テルミ」においても、印刷部数600部という小ロットを書店流通でなく直販で販売している。その一方で日本全国の特別支援学校、盲学校に通う小学生は約1,800名に及ぶ(平成27年)。こうした子どもたちを始め、視覚障害をもつ子たちは、一般の書籍、絵本を読むことが困難で、書店で購入できる点字つき絵本は強く待ち望まれているという背景があり、この度の発売に至った。
「てんじつき さわるえほん テルミのめいろ (てんじつきさわるえほん)」Amazonでの購入はこちら
『手で見る学習絵本テルミ』の名作めいろ
日本児童教育振興財団発行の隔月刊雑誌『手で見る学習絵本 テルミ』200号記念出版。本書では、この雑誌に2005年から2014年にかけて掲載された名作めいろ17本を抜粋して掲載。盛り上げ印刷で印刷されためいろを、指でたどってスタートからゴールまで進みます。目の見える子も見えない子も一緒に楽しめます。
【編集担当からのおすすめ情報】
『テルミ』はおもに視覚障害をもつ子どもに向けた盛り上げ印刷つきの隔月刊雑誌です。本書では、その中でも特に人気のある「めいろ」の名作約20本を抜粋して掲載します。『テルミ』の盛り上げ印刷は「発泡印刷」ですが、本書では紫外線硬化樹脂を使用した特殊印刷になります。
「てんじつき さわるえほん テルミのめいろ (てんじつきさわるえほん)」楽天市場での購入はこちら
|
点字
点字とは平面から盛り上がった点で文字や数字を示した文字の表現方法で、視覚障害を持つ人は点字を指で触って読むことで文字の認識ができる。
点字は、縦3点、横2点の6つの点で構成され、この6つの点の組み合わせを1マスと呼ぶ。また、点字は横書きで、左から右に読む。
点字の説明で使用した上記の書体は、ロービジョン(弱視)、ディスレクシア(読み書き障害)に配慮して開発された「UDデジタル教科書体」。
ロービジョン(弱視)、ディスレクシア(読み書き障害)に配慮して開発された「UDデジタル教科書体」
タイプバンク(現モリサワ)が開発した「UDデジタル教科書体」は、デジタル教科書をはじめとしたICT教育の現場に効果的なユニバーサルデザイン書体。学習指導要領に準拠し、書き方の方向や点・ハライの形状を保ちながらも、太さの強弱を抑え、ロービジョン(弱視)、ディスレクシア(読み書き障害)に配慮したデザインになっており、リーダビリティについてのエビデンス(科学的根拠)も取得。
筆書きの楷書ではなく、硬筆やサインペンを意識し、手の動きを重視した教科書体で、書き方の方向や点・ハライの形状を保ちながらも、太さの強弱を抑えたデザインになっており、ロービジョン(弱視)、ディスレクシア(読み書き障害)に配慮されている。
▼UDデジタル教科書体 文字見本(Bold)
▼「UDデジタル教科書体」紹介記事