ぼくのともだちは、あたまに はながさいている
児童書出版社である岩崎書店は、ジャーヴィス氏、作万木森玲氏、訳による、ガーディアン紙のBest Children's Books 2022(2022年に出版された中でもっともよかった子どもの本)選出のやさしさにつつまれる絵本「ぼくのともだちは、あたまに はながさいている」を2023年1月19日に発売した。
ぼくのともだち、デイビッドは あたまに きれいな はながさいている。
デイビッドは、ふんわりしてて やさしい。あたまの はなびら みたいに。
ぼくたちは、いつも いっしょにあそぶんだ。
そんな あるひのこと??
どうしてこの男の子の頭に花が咲いているのか、なぜ散ってしまったのか。
その理由は、読者が想像するしかない。
「ぼく」にとっては、それはどうでもいいことのようだ。
確かなのは、花が散って以来、ともだちに元気がないこと。
どうすればいいのか、「ぼく」は一生懸命考える。
大人にとっては、頭に花が咲いているなんて、唐突に感じられるが、この絵本のページを開くと、さまざまな子どもたちが一緒にいるインクルーシブな世界がそこにある。
困難な状況にあるともだちのことを、頭の花やそれが散ることで表現することによって、小さい子どもにも「ぼく」のともだち、デイビッドの苦境が理解できるようになっているのではないだろうか。
今、日本や世界で、「共感」や「相手の置かれた立場に立ってみること」、「エンパシー」といった言葉が、注目されている。
それはおそらく、異なる境遇に置かれた人のことを想像するのが難しくなっていること、難しい社会になっていることの裏返しではないだろうか。
『ぼくのともだちは、あたまに はながさいている』は、このように、多くのことを感じさせ、考えさせてくれる絵本ですが、最後に、シンプルでとても素敵な答えを「ぼく」が教えてくれる。
「ぼく」があなたの中のやさしさを引き出してくれるかもしれない。
この絵本を手に取って読んで、やさしさにつつまれてみよう。
作者:ジャーヴィスProfile●グラフィックデザインを学び、レコードジャケットのデザイン、ウェブデザイン、アニメーション監督の仕事を経て絵本作家になる。『アランの歯は でっかいぞ こわーいぞ』『もぐらのモリスさん おうちにかえりたい!』『ホッキョクグマと南極のペンギン』『ついておいで フロー!』『トロピカル テリー』『クリスマスツリーをかざろう』(すべてBL出版)など多くの作品が刊行され、世界中で親しまれている。
訳者:万木森玲Profile神戸市に生まれる。広告会社、旅行出版社などを経て、長年、絵本や児童書の編集に携わる。翻訳作品に『おまえたち、くっちゃうぞ~!わにがめのアルとちいさなさかなたち』(岩崎書店)がある。
「ぼくのともだちは、あたまに はながさいている」内容紹介
ぼくのともだちのデイビッド。あたまにはきれいなはながさいている。
ぼくたちは、いつもいっしょにあそぶ。そんな、あるひのこと――
はなびらがとれてしまい……
「ぼくのともだちは、あたまに はながさいている」賞歴
・The Guardian(ガーディアン紙)が選ぶ2022年のBest Children's Books 2022(2022年に出版された中でもっともよかった子どもの本)
・2023年 Yoto Carnegie Awardイラスト部門(旧ケイト・グリーナウェイ賞)候補
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