季節の風物を反映した四季フォントプロジェクト -初夏を代表する花、あやめ・かきつばたをイメージした「TPアイリス」の提供開始-
タイププロジェクトは、季節の風物を反映した書体をデザインし、四季折々の空気を文字にまとわせ、日本語をよりゆたかに、より繊細に表現する取り組みとして「四季フォントプロジェクト」を立ち上げた。
第一弾として初夏を代表する花であるあやめ・かきつばたをイメージした「TPアイリス」を発表し、2022年7月28日よりタイププロジェクトのサブスクリプションサービス「TPコネクト」にて提供を開始する。
「TPアイリス」は、古典的な書体に範をとりながら、現代的な用途に適う使い勝手の良い端麗なサンセリフ体。
仮名は優美な平安王朝の仮名を基本にし、欧文は16世紀ごろに発展した典雅な筆記書体をモデルにしている。漢字は、楷書の骨格を現代化した「TPスカイ クラシック」を採用している。
「TPアイリス」のユニークな点は、仮名の起筆に特徴的に表れている。
通常の和文サンセリフは、起筆の形状を切り落としますが、「TPアイリス」は、和様の筆づかいを示す重要な要素として起筆をあつかう。
欧文ではそれぞれのコントラストの特徴に合わせて起筆・終筆の形状や角度を変えている。
ローコントラストでは仮名との統一感を高め、優美な雰囲気を出すためにやや鋭角な先端にしている。
また、ハイコントラストでは筆記具である平ペンの特徴を残した角度や形状を採用した。
タイププロジェクトの代表取締役である鈴木功氏は、
「世界規模で急激な変化が続くなか、伝統を育んできた文化が失われる状況はとどまるところを知りません。それに加え、環境破壊による季節感の喪失も深刻です。文化多様性と持続可能性の観点からも四季フォントを意義ある取り組みだと考えています。TPアイリスは、よりどころにした古典に今の感覚を取り入れ、審美的にも実用的にも満足のいく書体に仕上がったと自負しています。詩歌や文芸はもちろん、童話や歌詞など、韻律を大事にしたい詞章の表現に力を発揮することを楽しみにしています」と述べている。
「TPアイリス」は、古典を核に大胆にディテールを刷新したハイコントラスト、広範な用途に安心して使えるミドルコントラスト、そして現代的な表情が新鮮なローコントラストの3つのコントラストに、それぞれ5つのウエイトで構成された、15フォントの書体ファミリーとなる。
「TPアイリス」製品詳細
▼販売価格 (税込)
TPアイリスは、サブスクリプションサービス「TPコネクト」で利用できる。
TPコネクト:30,000円/年額
*TPコネクトは、AXIS Fontファミリー、TP明朝、TPスカイファミリー、SST JP、TP国立公園明朝、都市フォントおよび四季フォントシリーズのすべての書体ファミリーを年間定額でご利用いただけるサービスとなる。
▼Webフォント
REALTYPE.jp サブスクリプション
▼製品仕様
・文字セット:9,530字(StdNをベースにカスタムグリフを追加)
・ウエイト:EL(エクストラライト)、L(ライト)、R(レギュラー)、M(ミディアム)、B(ボールド)
・フォーマット: OpenTypeフォントフォーマット
・動作環境:macOS、Windows 10(日本語版)