mojiru【もじをもじる】

「mojiru」はこのブログ名。「もじる」は著名な言い回しに似せて表現すること。ブログでは、本・映画・グルメなどのヒット商品や気になったトレンドを文字をもじったりもじらなかったしながら、フォントを使ったり使わなかったりしながら取り上げていく。更新頻度は1日1回が基本です。[もじる使用例]1.吾輩は下戸である。お酒は飲めない。2.太閤がまずしかったから。3.棋士の一二三に惨敗。

秋の夜長にカズオ・イシグロ作品を

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日の名残り

イシグロ・カズオ

すっかり日も長くなった2017年。
秋といえば読書の秋が思い浮かぶが、同様に活字離れや出版不況といった状況も叫ばれる中で、秋の風物詩・ハルキスト達の鼻息の荒さを後目にカズオ・イシグロ氏(62)のノーベル文学賞受賞という空前絶後の超絶怒涛の吉報が届いた。
ノーベル文学賞受賞作家作品を読むしかない!とばかりにそして「Amazon」の本ランキングでもイシグロ作品がランキングを独占し、一時的に在庫品切れ状態も起きているブームぶりだ。

元来、外国の権威にめっぽう弱く、ブームが大好きのわれら日本人、今年の秋はスズムシの羽音でも聴きながらカズオ・イシグロ作品と共に過ごしてはいかがだろうか。

カズオ・イシグロ(Kazuo Ishiguro OBE, 漢字表記:石黒 一雄)。1954年11月8日長崎生まれ。1960年5歳のとき、家族と共に渡英。以降、日本とイギリスの2つの文化を背景にして育つ。ケント大学で英文学を、イースト・アングリア大学大学院で創作を学ぶ。1982年の長篇デビュー作『女たちの遠い夏』は王立文学協会賞を、1986年に発表した『浮世の画家』でウィットブレッド賞を受賞。1989年には長篇第三作の『日の名残り』でブッカー賞を受賞、2017年にノーベル文学賞を受賞した。ロンドン在住。

 

日の名残り 

日の名残り

品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。長年仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々―過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸のなかで生き続ける。
失われつつある伝統的な英国を描いて世界中で大きな感動を呼んだ英国最高の文学賞、ブッカー賞受賞作。

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

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1993年にジェームズ・アイヴォリー監督により映画化されている。

日の名残り (字幕版)

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日の名残り コレクターズ・エディション [SPE BEST] [DVD]

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わたしを離さないで 

わたしを離さないで

自他共に認める優秀な介護人キャシー・Hは、提供者と呼ばれる人々を世話している。キャシーが生まれ育った施設ヘールシャムの仲間も提供者だ。共に青春 の日々を送り、かたい絆で結ばれた親友のルースとトミーも彼女が介護した。キャシーは病室のベッドに座り、あるいは病院へ車を走らせながら、施設での奇 妙な日々に思いをめぐらす。図画工作に極端に力をいれた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちの不思議な態度、そして、キャシーと愛する人々 がたどった数奇で皮肉な運命に…。彼女の回想はヘールシャムの驚くべき真実を明かしていく。

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫)

 

2010年にマーク・ロマネク監督、キャリー・マリガン、アンドリュー・ガーフィールド、キーラ・ナイトレイ主演により映画化されている。

わたしを離さないで (字幕版)

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わたしを離さないで [Blu-ray]

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2016年1月からTBSテレビで綾瀬はるか主演によるテレビドラマ化もされている。

わたしを離さないで DVD-BOX

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また2014年には蜷川幸雄による演出、多部未華子主演により舞台化もされた。

 

遠い山なみの光

f:遠い山なみの光

故国を去り英国に住む悦子は、娘の自殺に直面し、喪失感の中で自らの来し方に想いを馳せる。戦後まもない長崎で、悦子はある母娘に出会った。あてにならぬ男に未来を託そうとする母親と、不気味な幻影に怯える娘は、悦子の不安をかきたてた。だが、あの頃は誰もが傷つき、何とか立ち上がろうと懸命だったのだ。
淡く微かな光を求めて生きる人々の姿を端正に描くデビュー作。王立文学協会賞受賞作。

遠い山なみの光 (ハヤカワepi文庫)

遠い山なみの光 (ハヤカワepi文庫)

 

 

わたしたちが孤児だったころ 

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上海の租界に暮らしていたクリストファー・バンクスは十歳で孤児となった。貿易会社勤めの父と反アヘン運動に熱心だった美しい母が相次いで謎の失踪を遂げたのだ。ロンドンに帰され寄宿学校に学んだバンクスは、両親の行方を突き止めるために探偵を志す。やがて幾多の難事件を解決し社交界でも名声を得た彼は、戦火にまみれる上海へと舞い戻るが…現代イギリス最高の作家が渾身の力で描く記憶と過去をめぐる至高の冒険譚。

わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)

わたしたちが孤児だったころ (ハヤカワepi文庫)

 

 

夜想曲集:音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 

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ベネチアのサンマルコ広場で演奏する流しのギタリストが垣間見た、アメリカのベテラン大物シンガーとその妻の絆とは――ほろにがい出会いと別れを描いた「老歌手」をはじめ、うだつがあがらないサックス奏者が一流ホテルの特別階でセレブリティと過ごした数夜を回想する「夜想曲」など、音楽をテーマにした五篇を収録。
人生の夕暮れに直面し心揺らす人々の姿を、切なくユーモラスに描きだしたブッカー賞作家カズオ・イシグロ初の短篇集。 

夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 (ハヤカワepi文庫)

夜想曲集: 音楽と夕暮れをめぐる五つの物語 (ハヤカワepi文庫)

 

 

忘れられた巨人 

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老夫婦は、遠い地で暮らす息子に会うため、長年暮らした村を後にする。若い戦士、鬼に襲われた少年、老騎士……さまざまな人々に出会いながら、雨が降る荒れ野を渡り、森を抜け、謎の霧に満ちた大地を旅するふたりを待つものとは―。

忘れられた巨人 (ハヤカワepi文庫)

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浮世の画家 

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戦時中、日本精神を鼓舞する作風で名をなした画家の小野。多くの弟子に囲まれ、大いに尊敬を集める地位にあったが、終戦を迎えたとたん周囲の目は冷たくなった。弟子や義理の息子からはそしりを受け、末娘の縁談は進まない。小野は引退し、屋敷に篭りがちに。自分の画業のせいなのか…。老画家は過去を回想しながら、みずからが貫いてきた信念と新しい価値観のはざまに揺れる―ウィットブレッド賞に輝く著者の出世作。

浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)

浮世の画家 (ハヤカワepi文庫)

 
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