- どうなる? 第29回ブルノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレ 2020
- 「アイデア」No. 386にビエンナーレの置かれた状況および世界各国のデザイナー26組より寄稿された全28点のポスターを掲載
どうなる? 第29回ブルノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレ 2020
誠文堂新光社が発行する、デザイン誌「アイデア」は、2019年7月30日(火)~8月29日(木)東京・神保町のオルタナティブスペース「The White」にて、「どうなる? 第29回ブルノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレ 2020」を開催することを発表した。
2018年の開催で28回を迎えた、チェコのグラフィックデザイン・ビエンナーレ「ブルノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレ」が、2020年以降の開催中止を余儀なくされている。
本展では、ビエンナーレの続行を目指して企画されたデザイン誌「アイデア」誌上での架空のビエンナーレ「第29回ブルノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレ 2020」のために各国のグラフィックデザイナーより集められたポスター作品を展示紹介する。
「ブルノ・ビエンナーレ」は1960年代にチェコスロバキアの都市ブルノで始まった展覧会で、冷戦体制下のアーティストやデザイナーが自由な表現や権利、国際的な評価の場を求めるなかで誕生したもの。1964年に国立モラヴィア・ギャラリーによって創設・主催されて以来、拡張するグラフィックデザインという分野や、視覚文化とその重要性に関連した、展示、会議、関係プログラムを行う国際舞台として認知されてきた。しかし、主催のモラヴィア・ギャラリーは、2020年以降のビエンナーレの開催中止を決定し、これまでビエンナーレに関わってきた欧州のグラフィックデザイナーたちを中心にその是非が問われている。
1953年の創刊以来、国際的なグラフィックデザインの動向を取り上げてきたデザイン誌「アイデア」では、2016年度のキュレーターを務めたデザイナーのラディム・ペスコ氏と、同展の招集デザイナーであったデザインチームabakeの2組からの呼びかけにより、2019年6月に刊行した、『アイデア』最新号(No. 386)にて世界各国のデザイナー26組より寄稿された全28点のポスターを掲載、ビエンナーレの置かれた状況を提示。本展では、誌面では見開きにまたがっての掲載となった各作品をポスターとして展示するとともに、今後のブルノ・ビエンナーレやデザイン・ビエンナーレの在り方を考える場としていく。
▼イベント詳細ページ
企画に賛同した26組のグラフィックデザイナー・アーティストがポスターを寄稿
ヨーロッパやアジアで活躍するグラフィックデザイナー・アーティストにあわせて、日本からは、美術・建築系の書籍や展覧会の広報グラフィックなど、先鋭的かつ柔軟なアプローチでデザインワークを展開する秋山伸氏と、「キユーピーハーフ」の広告のディレクションなどで知られる服部一成氏といったデザイナー陣が参加。
▼ポスター寄稿デザイナー
Radim Pe?ko, abake, Sulki & Min, David Pons & Lissana Jouret, Bibliomania: Alexandru Balgiu & Olivier Lebrun, Zak Group, Tamara Maletic / Linked by Air, アーロン・ニエ, Laura Pappa &Elisabeth Klement, Noviki: Katarzyna Nestorowicz & Marcin Nowicki, 秋山伸, Alice Gavin & Valentin Bigel at Groupe CCC, Alyssia Lou, LPPL, Katja Gretzinger, In the shade of a tree: Sophie Demay & Mael Fournier-Comte, Jon Sueda & chris hamamoto, Jean-Claude Chianale, ナ・キム, 服部一成, Mevis & van Deursen, Betsy Bickle, Pinar&Viola, Wayne Daly & Shumon Basar, Dan Eatock, Ryan Gander with Zbigniew Zu?awski
▼寄稿デザイナー略歴
「どうなる? 第29回ブルノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレ 2020」会期中にデザインと展示をめぐるトークイベントを開催
オープニングトーク:ブルノ・ビエンナーレのこれまで
2018年までのブルノ・ビエンナーレのあゆみを振り返りつつ、2016年度のビエンナーレにて展示企画を行ったabakeのメンバーと、日本より企画に参加した室賀清徳氏、イエン・ライナム氏にその取り組みについてのトークイベント。
▼登壇予定
abake(本展参加デザイナー)、室賀清徳(編集者)、イエン・ライナム(デザイナー)
▼日程
7月30日(火)
▼時間
19:00-20:30(開場18:30)
▼会場
The White
▼参加料
1,500円(定員20名、事前予約制)
クロージングトーク :2つのビエンナーレから考える「グラフィックデザイナーと展覧会」
本展のもととなった「第29回ブルノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレ 2020」を掲載した『アイデア』386号では、昨年11月にアラブ首長国連邦で開催された中東初のデザイン・ビエンナーレ「フィクラ・グラフィック・デザイン・ビエンナーレ」を特集した。企画編集を担当した後藤哲也氏による同ビエンナーレのレポートを出発点に、ブルノ・ビエンナーレへの参加をはじめ、グラフィック関連の展示活動に精力的に取り組むデザイナーの秋山伸氏を交え、「グラフィックデザイナーと展覧会」について考える。
▼登壇予定
秋山伸(本展参加デザイナー)、後藤哲也(デザイナー)
▼日程
8月28日(水)
▼時間
19:00~20:30(開場18:30)
▼会場
The White
▼参加料
1,500円(定員20名、事前予約制)
▼参加予約
会場メールアドレス宛に申し込み。
mail@sawadaikuhisa.com
(イベント名、名前、電話番号、参加人数を記載)
どうなる? 第29回ブルノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレ 2020 イベント概要
▼イベント名
どうなる? 第29回ブルノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレ 2020
▼会期
7月30日(火)~8月29日(木)
毎週日曜・月曜休み、8月11日(日)-8月18日(日)お盆休み
▼時間
13:00~19:00(7/30、8/28・29は18:00まで)
▼会場
The White(東京都千代田区猿楽町2-2-1 #202)
▼入場
無料
▼主催
アイデア編集部
▼企画
ラディム・ペスコ、abake、ソフィー・デデレン、アイデア編集部
▼協力
The White、Frans Maserel Centre、RONDADE
▼特別協力
イワン・ダート(Frans Maserel Centre)
「アイデア」No. 386にビエンナーレの置かれた状況および世界各国のデザイナー26組より寄稿された全28点のポスターを掲載
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特集:グラフィックデザイナーと展覧会 vol. 2
MINISTRY OF GRAPHIC DESIGN FIKRA GRAPHIC DESIGN BIENNIAL 01 INDEX
アラブ首長国連邦“グラフィックデザイン省"をめぐる61のキーワード
企画・編集:The Office of the Archive(後藤哲也&サキ・ホ),アイデア編集部
デザイン:LABORATORIES(加藤賢策,岸田紘之)
翻訳:ダンカン・ブラザトン,山本真実,大久保エマ,クリストファー・スティヴンズ,後藤哲也
協力:フィクラ・グラフィック・デザイン・ビエンナーレ
撮影:オベイド・アル=ブドゥール(Beedii)
2017年の「グラフィックデザイナーと展覧会――ブルノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレと世界の実践」特集に続き,グラフィックデザインと展覧会をめぐる今日の状況を考察する第2弾企画。
昨年11月,アラブ首長国連邦(UAE)で開催された中東初のデザイン・ビエンナーレ「フィクラ・グラフィック・デザイン・ビエンナーレ」に焦点をあて,参加デザイナーから集められたA to Zのキーワードをもとに非西洋圏におけるデザイン・ビエンナーレのあり方を考察する。
特集内にはアラビア語のタイポグラフィに関する論考や中東を拠点とするデザイナーたちへのインタビューなど,中東のデザインシーンを垣間見ることのできる貴重なコンテンツも収録。
ビエンナーレを通じて中東におけるグラフィックデザインの今後を見据えていく。
もし……だったら
デザイン・メタファーとしての省
文:スティーブン・ヘラー
Dept. of Graphic Optimism:グラフィックデザインの楽観
アリア・アル=サビ:日出る場所/力の弁証法
アラビア語のタイポグラフィ:その可能性の新たな時代
文:フダ・スミッツハウゼン・アビ=ファレス
プレム・クリシュナマーシー:
コラボレーション/ツアーガイド/構造+物語+主題=社会空間/複数の帽子
Dept. of Mapping Margins:余白の地図化
ウズマ・Z・リズヴィ:デザインの脱植民地化/デザインの脱中心化/共生/スペキュラティブ/デザインの脱領域化/知識の共有
サンティ・ロウラチャウィ:脱中心化
アサド・パーベイズ:翻訳
レディオグラフィーク:1. 建設,2. ゲーム
エミリー・スミス:
最も重要な脈絡のない発言/遊び/詩
Dept. of Non-Binaries:ノンバイナリー
コモン・インタレスト:小文字のデザイン,ノンバイナリー
ベネデッタ・クリッパ:変質
クリストファー・ベントン:破壊分子
ローレンス・レマオアナ:野心,独自,多様,挑戦,前衛
シナ・ファコール:脱植民地的デザイン
ポーラ・ミネルガイト:対話的な
オドキン:アラームクロック/ギャップ
ギデオン・ジェイミー:フィクラ・ビエンナーレ
ジャスティン・チュアン:インターナショナル
Dept. of Flying Saucers:空飛ぶ円盤
ハラ・アル=アニ:一時的な
ターボ:思い出の品々
ファウンドランド・コレクティブ:サバイバル・ルート,シリア人コミュニティ,ディアスポラ・アイデンティティ
シンドーシ:ストーリーテラー
ナ・キム:
楽観主義/もし~だったら――もちろん/ ウィメンスピーク!/珊瑚の壁
Dept. of Dematerializing Language:非物質化言語
アルカディアンスタジオ:翻訳――言語,カルチュア・ミックス,リミックス,サンプリング,ハイブリッド,アラビア語,湾岸地域
アストリッド・ゼーム:銀行
エセン・カロル:ジェフ・トークス/#ノーレシピ
クリストフ・クノス&コンラッド・レナー:異文化間の
インタビュー:中東におけるグラフィックデザインの実践
Fikra(サレム・アル=カシミ)
Mobius Studio(ハラ・アル=アニ)
Turbo(モサンナ・フセイン,サイード・アブ=ジャバー)
Office of the Archive
後藤哲也:アーカイブ
サキ・ホ:インスタグラム,ワッツアップ
砂漠に浮かぶデザイン機構の幻
文:室賀清徳
索引
第29回 ブルノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレ 2020
企画・編集:ラディム・ペスコ × アバケ × ソフィー・デデレン × アイデア編集部
デザイン:ラディム・ペスコ × アバケ 日本語組版:山田和寛(nipponia)
翻訳:大久保エマ
2018年の開催で28回を迎えた東欧チェコのグラフィックデザイン・ビエンナーレ「ブルノ国際グラフィックデザイン・ビエンナーレ」が,2020年以降の開催中止を余儀なくされている。
本企画では,その再開を目指すデザイナーたちの呼びかけにより,次回ビエンナーレにむけたポスターの寄稿を各国デザイナーに依頼。
誌面上での架空ビエンナーレを開催する。
【ポスター寄稿デザイナー】(掲載順)
Sulki & Min, abake, David Pons & Lissana Jouret, Bibliomania: Alexandru Balgiu & Olivier Lebrun, Zak Group, Radim Pe?ko, Tamara Maletic / Linked by Air, アーロン・ニエ, Laura Pappa &Elisabeth Klement, Noviki: Katarzyna Nestorowicz & Marcin Nowicki, 秋山伸, Alice Gavin & Valentin Bigel at Groupe CCC, Alyssia Lou, LPPL, Katja Gretzinger, In the shade of a tree: Sophie Demay & Mael Fournier-Comte, Jon Sueda & chris hamamoto, Jean-Claude Chianale, ナ・キム, 服部一成, Mevis & van Deursen, Betsy Bickle, Pinar&Viola, Wayne Daly & Shumon Basar, Dan Eatock, Ryan Gander with Zbigniew Zu?awski
新連載│FormSWISS 第1回
企画・構成:&Form
デザイン:丸山新,高橋圭太郎,加藤雄一
文:丸山新,牛嶋佳奈子,岩坂未佳
翻訳:藤本和子-ヘッジズ,大久保玲奈
撮影:大籏英武,Simone Cavadini(p. 174)
タイプフェイス:Swiss Typefaces
印刷(pp. 149-150):大洋印刷株式会社
インタビュー:丸山新 Formプロジェクトとその展開
「FormSWISS」は,グラフィックデザイナーの丸山新が主導し,今号より計4回にわたり展開する連載企画。
今後,誌面の枠を超えてイベントや展示企画として展開予定の上位プロジェクト「Form」の立ち上げ企画にあたるもので,各国のデザインの状況はもとより,その周辺にある教育,テクノロジー,ライフスタイルなどをデザイン的な視点で読み解き,今後のビジュアルコミュニケーションデザインのあり方を考えるものだ。
第1弾となるスイス編FormSWISSでは,スイスの3つの言語地域であるイタリア語圏,フランス語圏,ドイツ語圏を訪れ,ビジュアルコミュニケーションに携わるデザイナーやデザイン教育機関,美術館など,デザイン関係者約30組へ取材を行い,その様子を誌面化していく。
初回では,丸山へのインタビューを中心にプロジェクトの概要を紹介。
OK-RM 会話が導くナラティブプロジェクト
デザイン:北岡誠吾
翻訳:熱海綾乃
インタビュー:OK-RM
2008年に,オリバー・ナイトとロリー・マクグラスによって設立されたデザインスタジオOK-RM。
「デザインは会話である」と断言する彼らは,クライアントや協働者と密接にコミュニケーションを図りながら,アートブック,空間,VIなど,横断的かつ主体的にプロジェクトに関わっていくことで,ビジュアルコミュニケーションの新しい可能性を探っている。
また,クライアントのマニフェストを伝えることを重要視し,あえてブランドのロゴを使わないデザイン展開など,「ナラティブ・プロジェクト」と呼ぶ取り組みも行う。
本稿では,彼らの代表作を紹介するとともに,新作の作品集『EX NIHILO』を中心に,制作についてやプロジェクトの協働者のあり方について,話を聞いた。
連載│アトラス考――生態学的世界観の視覚化
最終回 可視と不可視のあいだで
文:大田暁雄
全8回の連載を締めくくる最終回。
「ダイアグラム」や「主題地図」に現れた人間の世界観をめぐる,という連載の動機や目的はじめ,全体を貫く「生態学的世界観の視覚化」というテーマがめざすところを著者個人の研究経緯を交えながら振り返る。
[イベントレポート]AIと共創するグラフィックデザイン
文:永原康史
第21回亀倉雄策賞,JAGDA新人賞2019 受賞者決定
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新刊紹介
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