モリサワが邦文写真植字機発明100周年を皮切りに写研書体のOpenTypeフォント開発で今後100フォントをリリースすることを発表
モリサワと写研による写研書体のOpenTypeフォント開発プロジェクトの続報として、今後数年以内に合計100フォントに及ぶ写研書体のOpenTypeフォントのリリースが予定されていることが、モリサワから2024年2月13日に発表となった。
2024年の提供書体には「石井明朝・石井明朝オールドスタイルかな」「石井ゴシック」の13フォントと、写研のバリエーション豊かな見出し書体群を「写研クラシックス」としてOpenType化した30フォント、合計43フォントを予定。
2025年以降もこれらに続くラインナップを順次提供予定となるそうだ。
写研書体にとって新しい歴史の幕が開く2024年は、邦文写真植字機の発明100周年を迎える節目の年となる。
今後も、過去から未来へとつながる多彩な写研書体を提供されていくとのこと。
写研クラシックス
「写研クラシックス」は、多種多様な名作見出し書体群が、写植全盛期の味わい深いデザインそのままに使用できるフォント。
モリサワは写研から提供を受けたアウトラインデータに加えて不足文字の作成や文字セットなどの仕様の整理を行った。
見出し利用に特化させ、従来写真植字機でのみ利用可能だった多くの写研書体と、写真植字機時代に発表されていない書体を、現代のOpenTypeフォントとして再現した。
なお、改刻フォントは「写研クラシックス」とは異なる開発アプローチや仕様を採用しているとのこと。
モリサワ公式noteでは、改刻フォントの詳細を紹介。
▼モリサワ公式note「写研書体の開発プロジェクト “至誠通天” 受け継がれる石井書体」
写研のコメント
昭和から平成にかけて、書籍・マンガ・広告などのあらゆる誌面や画面を彩ったかつての写研の書体群を、書体の形状イメージはそのままに高品位デジタル化し、一部かなについては写植時代でも表現されなかった詳細なストロークで、書体原図より忠実に復刻し再現しました。この度、モリサワ社との協業により、OpenTypeフォントとしてリリースされることを大変うれしく思います。生まれ変わった写研書体をぜひご利用ください。
2024年に提供開始を予定している写研フォント 概要
▼改刻フォント
石井明朝 L / R / M / B
石井明朝オールドスタイルかな L / R / M / B
石井ゴシック L / R / M / B / EB
▼写研クラシックス
有行書
石井楷書
石井中ゴシック
石井中丸ゴシック
石井中明朝
石井中明朝オールドスタイル大がな
イナクズレ
イナピエロ B
イナミン
イノフリー
いまぎょう
今宋
いまりゅう
織田特太楷書
ゴーシャ E
紅蘭中楷書
ゴカール H
ゴナ E
新聞特太ゴシック
新聞特太明朝
創挙蘭 E
曽蘭太隷書
スーシャ H
スーボ B
鈴江戸
ナール EL / E
ナミン
ボカッシイG
ミンカール
■仕様
▼改刻フォント
・文字セット…StdN
・プロポーショナルメトリクスやカーニング情報を搭載しています。
▼写研クラシックス
・文字セット…Min2※
・一部の書体でプロポーショナルメトリクス情報を搭載している。
※Adobe-Japan1に準拠するサブセットを採用し、4,833文字を収録したモリサワ独自の文字セット。
▼対象製品
Morisawa Fonts
▼詳細はこちら
▼提供時期
2024年 秋