自然の一生図鑑
誠文堂新光社は、2021年10月19日(火)に、国立科学科学博物館顧問である林良博氏監修による、「川はどうやって生まれる?花が綿毛に変わるのはなぜ?オスが妊娠する!?」などの様々な生まれてから死ぬまでに注目した美しい絵本「自然の一生図鑑」を発売した。
「自然の一生図鑑」は2020年9月で英国で発売後すぐに欧州で大評判になった絵本で、宇宙から動植物、恐竜まで幅広く取り上げていることから、日本語版監修は、国立科学科学博物館前館長の林 良博氏が担当しており、自然の中のすべてのものが持っている一生にも似た「ライフサイクル」である、生まれてから死ぬまでに注目した絵本。
宇宙から山や川、動植物、もちろんヒトまで含めた60の種類の始まりから終わりまでを、美しい絵本にして紹介しています。お話は矢印で流れを追いながら、ぐるぐるたどるようにして読み進めるレイアウトで、見開き2Pで完結。
興味のあるところから読んでも十分楽しめるが、一冊読み終わる頃には、すべてがつながっていること、そして地球環境がいかにバランスが取れた仕組みであるかが分かっていく。
小学校の理科でおなじみ、おたまじゃくしを経て成長するカエル、イモムシからさなぎを経るチョウなど、身近な動植物のページは低学年の読者から親子で楽しめるはず。
ミミズのように、姿を知ってはいるもののいつも土の中にいる生き物の暮らし、クモが巣の網を揺らして求愛するなど、意外なシーンを知ることができるのはこの本の醍醐味。身の回りの自然への興味がぐっと増してくるだろう。
タツノオトシゴやペンギンなど、身近では会えないけれど、動物園水族館などで人気の動物にも、大人も知らない知識がぎっしり詰まっている。
求愛、出産、子育てなどライフサイクルにまつわる巧みな戦略が読みどころとなる。
例えばタツノオトシゴはオスの袋の中で卵がかえり、オスのお腹から海中に出産する。
その数なんと200匹!稚魚のサイズは7mmですから、写真では小さすぎて子供に伝わりにくいシーンだが、わかりやすく表現できるのはイラストならでは。生まれたての稚魚を待ち構えて食べる魚もいて、たった2Pなのにどのページにもハラハラドキドキさせられる。
宇宙や山、川など生き物ではないページでは中学受験などでも必須の環境問題への興味が広がるテーマが散りばめられている。
中学年、高学年のお子さんが読むのにぴったり。
川が山から生まれて海に流れるまでのお話、竜巻が生まれてから消えるまでの物語は、日々の自然現象とリンクして学ぶところが多いだろう。
「地球上の水の総量は増えることも減ることもない」という視点で、気象の基本もさりげなく解説されており、楽しく読んでいると気づけば高度なレベルの話になっているという、すごい本。
本の最後には、ヒトが地球環境を守るよう行動すれば、他の生き物のライフサイクルを守ることができることをはっきり明記している。
環境教育はもちろん、SDGsを学ぶにもぴったりの副読本として、学校現場でも強くオススメとなる。
日本語版はキラキラしたカバーになっているので、子どものいる家庭へのクリスマスプレゼントに喜ばれるだろう。
国立科学博物館顧問・林良博Profile●国立科学博物前館長、東京大学名誉教授。1946年7月広島県生まれ。東京大学農学部教授、農学部長、総合研究博物館長、理事・副学長を歴任。山階鳥類研究所前所長、兵庫県森林動物研究センター名誉所長。『調べる学習百科 くらべてわかる! イヌとネコ』(岩崎書店)『世界655種 鳥と卵と巣の大図鑑』(ブックマン社)ほか監修本多数。
「自然の一生図鑑」目次
自然界のさまざまな「一生」を知ろう!
宇宙 宇宙/恒星/太陽系/月/彗星
地球 大陸/岩石/化石/山/火山/水/竜巻/川/氷山/炭素/地球の生命の歴史/アメーバ
植物と菌類 胞子から種子へ/キノコ/ジャイアント・セコイア/ココヤシ/ラン/タンポポ/ナラ/ハエトリグサ/ラフレシア
動物 タコ/サンゴ/ミミズ/クモ/アリ/チョウ/トンボ/カマキリ/水の生き物/サメ/サケ/タツノオトシゴ/カエル/恐竜の歴史/恐竜/翼竜/ウミガメ/ヘビ/トカゲ/ペンギン/アホウドリ/ツバメ/ニワシドリ/イルカ/カンガルー/世界はつながっている/シマウマ/ホッキョクグマ/ハダカデバネズミ/コウモリ/オランウータン/人間の歴史/人間/人間が地球の生き物にあたえる影響
用語集 さくいん
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