アヤクーチョ刺繍世界初の技法書「アヤクーチョ刺繍」

アヤクーチョ刺繍

アヤクーチョ刺繍

誠文堂新光社は、2021年10月12日（火）に、南米ならではの鮮やかな色使いや存在感のあるモチーフが楽しい立体感ある刺繍の図案と作品レシピを紹介したアヤクーチョ刺繍世界初の技法書「アヤクーチョ刺繍」を発売した。

「アヤクーチョ刺繍」は、ペルー南部のアヤクーチョに伝わる色鮮やかな毛糸刺繍の世界初の技法書で立体感ある刺繍の図案と作品レシピを紹介した初心者でも楽しめる一冊。

ペルー南部に位置する「アヤクーチョ」は、アンデスの山々に囲まれた標高2731メートルに位置する都市で、様々な民芸品を作る村が美しい緑の谷間に点在している。
多様な民芸品に出会えることから「民芸品の首都」と称されているが、中でも、鮮やかな色合いの毛糸で作られるアヤクーチョ刺繍の美しさは有名。

アヤクーチョ刺繍は、17世紀のスペインの植民地時代前からあった織物の伝統が西洋の技術と出会って生まれたと言われている。
植民地時代に、多くのアンデスの伝統的な手工芸が禁止される中、刺繍は禁止されることなく、母親から娘へと伝えられてきた。
そのモチーフは、アヤクーチョに育つ草木、花、鳥などの自然とアンデス文化の影響を受けて生み出されてきた。

「アヤクーチョ刺繍」では、アヤクーチョ刺繍によく使われる特有のステッチやモチーフの刺し方を丁寧に解説。
一般的な植物モチーフの図案集のほか、図案を取り入れたポーチやクッションなど、日常で使える布小物の作品も提案。
刺繍が初めての人から、すでに刺繍に親しんでる人まで、幅広い人が楽しめる図案とレシピを掲載している。
アヤクーチョ刺繍の技法書としては、日本国内はもちろん、世界でも初めての内容となる刺繍本になる。

アヤクーチョでは、ペルー製のアクリル糸やアルパカ、ウール糸などが使われているが、材料には、日本で購入しやすい手芸用の毛糸や布を使用している。
刺繍糸よりも、太い糸を使うので、一般的な刺繍にくらべると、制作時間をそれほどかけずに作品を完成できるのも魅力となる。

南米ならではの鮮やかな色使いや存在感のあるモチーフは、針を持つ多くの人を笑顔にしてくれることだろう。

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山森サキProfile●お茶の水女子大学大学院(女性文化研究所)修了。23年間中南米に住み、先住民の女性達からその国々の伝統的な織物や刺繍の技術を学ぶ。ペルーのアヤクーチョ刺繍と出会い、Lic. Ana Maria Romero Carranza 先生に師事し、リマの民芸品販売会に出品。他分野の手芸作家とARtEy TEXTILESを結成し、活動を展開。2018年に帰国した後は、カルチャースクールや自宅で教室を開催し、デパートなどでのイベントで実演会を実施している。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　