
Monotypeが人気書体「筑紫書体シリーズ」や「Helvetica Now」などを組み合わせた和欧混植フォント6ファミリーをMonotype Fontsからリリース
Monotype Imaging Inc.の日本法人Monotype株式会社は、MonotypⓇクリエイティブ・タイプディレクター小林章氏、書体デザインディレクター藤田重信氏が監修し、日本とグローバルのチームが共同で制作した「和欧混植フォント」6ファミリーを、世界最大級のフォントライブラリを持つフォントサービス「Monotype Fonts」からリリースした。

Monotypeが提案する、美しく心地よい和欧混植フォント
和欧混植とは、日本語の文字(和文書体)とアルファベットなどのラテン文字と数字(欧文書体)を組み合わせた文字組版のこと。デザインやレイアウト上の調整を行い、違和感なく両方の文字体系を組み合わせることで、より美しく読み心地のよい文字の表現が可能になった。
Monotypeを代表する和文・欧文書体である、筑紫Ⓡゴシック、筑紫R明朝、フォントワークス UDⓇ角ゴ_ラージ、ニューロダン™ 、Gill SansⓇ Nova、HelveticaⓇ Now Display、PalatinoⓇ Nova、DINⓇ Next、SyntaxⓇ Next、SabonⓇ Nextを組み合わせた。
本書体は、Monotypeと筑紫書体シリーズなどで知られるFontworksⓇがひとつになったことをきっかけに、よりフォントの持つ可能性を広げることを目指して誕生した新しいコンセプトのフォント。欧文と和文のデザインを一体化させたことで、文化や言語の枠を越えた自然な調和を実現している。このフォントは、デザイン性だけでなく、ユーザーの創造性を最大限に引き出すために柔軟に対応できる強固な基盤を提供。
和欧混植フォント一覧
筑紫明朝+Palatino Nova 7ウェイト
筑紫明朝+Sabon Next 7ウェイト
筑紫ゴシック+Gill Sans Nova 8ウェイト
筑紫ゴシック+Syntax Next 8ウェイト
ニューロダン+DIN Next 6ウェイト
フォントワークスUD角ゴラージ+Helvetica Now Display 8ウェイト
Monotype和欧混植フォントの特長
・厳選した書体の組み合わせと、混植時の美しさ
Monotypeの和欧混植フォントは、数ある和文・欧文書体から組み合わせを厳選。それぞれの持つ個性や美しさを活かし、可読性が高く洗練された印象を実現。
また混植時の見え方の美しさにもこだわった。洗練された欧文書体が和文中に入ることで、全体が引き締まる。特に数字は使用頻度が高いため、本書体を使用することで読みやすさや美しさがより際立つ。
多様化するコミュニケーションのニーズやグローバルな視点でのフォント活用が求められる中、和欧混植フォントは多様な場面での使用を可能にし、コミュニケーションをより豊かで魅力的なものにするために開発された。

・特別なソフトや知識は不要
和文と欧文の混植は、デザインツールのレイアウト機能を利用し、専門知識も必要だったたが和欧混植フォントを利用することにより、特別なソフトや知識がなくても、誰にでも手軽に美しい文字表現が可能になった。

筑紫明朝に対して、2種の混植組み合わせを用意
提供を開始する6書体
Monotypeを代表する和文・欧文書体から、6つの組み合わせが生まれた。組み合わせごとに複数のウェイトとイタリック*も用意している。
*イタリック体をAdobe Illustratorなど主要デザインツールで使用する場合、Open Type機能の「イタリック」を選択して利用。
筑紫明朝+Palatino Nova(7ウェイト)

活字・写植時代の本質を踏襲し、明朝体とはどうあるべきかを最大限に考慮した筑紫明朝と、書籍の本文・見出しを問わず、そして時代に左右されず使われ続けているセリフ書体Palatinoの改刻・ウェイト拡張版Palatino Novaを組み合わせた。
柔らかさや伝統を感じる混植で、長文で使用しても読みやすく、印象に残る言葉を大きく表示することにも適している。
筑紫明朝+Sabon Next(7ウェイト)

活字・写植時代の本質を踏襲し、明朝体とはどうあるべきかを最大限に考慮した本文用書体 筑紫明朝と、書籍の本文、見出しを問わず、しかも時代に左右されず使われ続けているセリフ書体Sabonの改刻・ウェイト拡張版Sabon Nextを組み合わせた。
伝統的でエレガントな印象を生み出す組み合わせで、品格や華やかさを感じさせたい場面に適している。
筑紫ゴシック+Gill Sans Nova(8ウェイト)

現代のシャープさやクリーンな硬質さと、クラシックな味わいや柔らかな部分を融合させた筑紫ゴシックと、伝統や格調を演出したい場合に使われるヒューマニスト・サンセリフ体の先駆的書体Gill Sansの改刻・ウェイト拡張版Gill Sans Novaを組み合わせた。
可読性に優れ、信頼感や伝統の中にも柔らかい印象を感じさせたい場面に適している。
筑紫ゴシック+Syntax Next(8ウェイト)

現代のシャープさやクリーンな硬質さと、クラシックな味わいや柔らかな部分を融合させた筑紫ゴシックと、ヒューマニスト・サンセリフ体ではFrutigerⓇと並んで評価される書体Syntaxの改刻・ウェイト拡張版Syntax Nextを組み合わせた。
明るさと読みやすさの中に、現代的で洗練された印象のある混植です。本文からデジタルデバイスまで幅広く活用できる。
ニューロダン+DIN Next(6ウェイト)

フォントワークスのゴシック体ニューロダンとドイツの工業用規格から生まれたDIN 1451をベースに、現代的なサンセリフ書体DIN Nextを組み合わせた。
機能的でシンプルな印象のある混植で、小さい文字でも読みやすく機能的。
フォントワークス UD角ゴ_ラージ+Helvetica Now Display(8ウェイト)

見出しに最適なモダンゴシック体 ニューロダンをベースにしたフォントワークス UD角ゴ_ラージと、現代のブランディングの課題を解決する書体として誕生したHelvetica Nowのうち、大きな見出し用に字間が調整されているDisplayを組み合わせた。
明瞭で伝わりやすい組み合わせで、サインや見出し、機能説明などに適している。
小林章氏と藤田重信氏からのコメント
クリエイティブ・タイプディレクター 小林章氏

MonotypeとFontworksが協力して、両社の強みを最大限に活かした混植フォントを全世界に向けて発表します。 情報の多言語化の時代の要求に応えるため、Fontworksの和文書体にサイズや位置を合わせた欧文書体を組み込みました。 日本語と西欧の言語を混植する際に、これまでの和文従属欧文とは違った世界レベルの品質を提供できることを嬉しく思います。
書体デザインディレクター 藤田重信氏

写植時代以後、和文を作るデザイナーの多くは付属の英数字をデザインする際、CenturyやHelvetica等オリジナルを使うことはできず、それらに似たイメージでデザインする必要がありました。
MonotypeとFontworksが1つになったことで、これら欧文が和文字用に調整と組み合わせが可能になりました。 「真の和文フォント」として、世界に発信できるものになるでしょう。
製品に関するお問い合わせ
今回リリースした和欧混植フォントは、世界最大級のフォントライブラリを持つフォントサービス「Monotype Fonts」より使用できる。
▼Monotype Fontsサービスサイト
Monotype Fontsとは
Monotype Fontsは、世界最大級のフォントライブラリを持つ、デザイン業務効率化のためのフォント管理サービス。これまでユーザーインタフェイス(UI)は、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語に対応しており、グローバル企業やプロフェッショナルデザイナーから信頼され、広く活用されてきた。このプラットフォームでは、国内外の多様なフォントを一元管理することで、ブランドの一貫性を支えつつ、迅速なクリエイティブ作業をサポート。8月リリース予定の日本語対応版により、特に日本市場の利用者に向けた利便性を強化している。