国鉄色車両ガイドブック
誠文堂新光社は、2021年2月17日(水)に、広田尚敬氏が写真撮影、坂正博氏、梅原淳氏、栗原景氏著書による、往年の名車を色で振り返るマンセル値、CMYKデータも必見となる湘南色・スカ色・特急色・ぶどう色…昭和レトロに浸るカラフルな国鉄色の世界を紹介した「国鉄色車両ガイドブック」を発売した。
年々見る機会が減っていることもあり、鉄道ファンの間で人気が高い「国鉄色」。
「国鉄色車両ガイドブック」は、国鉄時代に活躍した名車たちを、塗装した色を切り口にまとめ直した一冊。
写真は鉄道写真の神様、広田尚敬氏。そして各分野で活躍している3人の鉄道ジャーナリストが各車両に解説をつけた。
「国鉄色」という言葉は、主に鉄道ファンが生み出した言葉で、いくつかの定義があるようですが、基本的には国鉄が車体外部の塗装に使用した色を指している。
国鉄時代の塗色は「国鉄車両関係色見本帳」によって明確に決められていた。
国鉄が消滅して30年経った現在では、当時から継続して使用されている国鉄色はごくわずか。
そのため完全に消滅する色があればニュースになり、一方で復活する色があれば多くの人が集まるコンテンツになっている。
鉄道ファンにとって、希少価値のある塗装は注目すべき項目だが、今までこの情報を体系的にまとめた資料は多くなかった。
「国鉄色車両ガイドブック」では、1983年に発行された国鉄最後の「国鉄車両関係色見本帳」を基に、1950年代から1980年代までの塗装を年代別に紹介している。(全ての塗色が掲載されているわけではない)。
そして特筆すべきは、各国鉄色が数値化されていることでしょう。「国鉄車両関係色見本帳」には色の表示記号であるマンセル値が記載されています。その数値を元に、現在、コンピューターや印刷の世界で広く使われているRGBとCMYKで表現できるデータも参考値として併記されている。
これは鉄道ファンならずとも、国鉄色の資料として持っておきたいガイドブックといえるだろう。
バラエティ豊かな車両色彩を眺め、その色に込められたイメージや背景を語る記事を読んでいくと、国鉄時代を知らない世代もなぜか胸が熱くなはず。
昭和レトロな気分を満喫するにもぴったりな一冊。
広田尚敬Profile●鉄道写真家。1935年東京生まれ。「鉄道写真の神様」として鉄道写真界を牽引。鉄道写真歴は半世紀を越え、30年のロングセラーシリーズ「のりものアルバム」(講談社)のほか、『永遠の蒸気機関車』(日本交通公社)、『動止フォトグラフ 国鉄主要車両編』(交友社)など多数。
坂正博Profile●鉄道編集者。1949年兵庫県生まれ。実際の「鉄道」を目で見ることをモットーに取材する「ジェー・アール・アール」の編集担当者として、日本全国をくまなく取材し、『JR電車編成表』などの年刊本・季刊本を手がけている。
梅原淳Profile●鉄道ジャーナリスト。1965年東京生まれ。月刊「鉄道ファン」編集部などを経て2000年に独立。執筆活動を中心に、テレビ・ラジオなどでの解説、講演など幅広く活躍中。主な著者に『最後の国鉄直流特急型電車』(JTBパブリッシング)など多数。
栗原景Profile●1971年東京生まれ。国鉄時代を直接知る最後の世代で、旅、鉄道、韓国などをテーマとするジャーナリストとして活動。『東海道新幹線沿線の不思議と謎』(実業之日本社)、『アニメと鉄道ビジネス』(交通新聞社)など多数の著書がある。
「国鉄色車両ガイドブック」目次抜粋
・1950年代の国鉄色
湘南色/スカ色/青大将色/オレンジバーミリオン/特急色/ぶどう色/寝台客車色/一般気動車色/など
・1960年代の国鉄色
カナリヤイエロー/修学旅行色/急行形交直流電車色/うぐいす色/新幹線0系色/旧新潟色/など
・1970年代の国鉄色
初期新快速色/千代田線色/ニューブルートレイン色/50系色/など
・1980年代の国鉄色
185系色/瀬戸内色/飯田線色/常磐線色/キハ37形色/白樺色/旧北陸色/仙台色/長野色/烏山色/八高線色/など
・1940年代の国鉄色
蒸気機関車色/旧型国電警戒色/関西急電色/など
・貨車
貨車色/コンテナ色/特急コンテナ色/冷蔵車色/ガソリン石油類タンク車色/とび色/など
そのほか・ジョイフルトレイン、無塗装車色など(巻末:国鉄色インデックス)
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