フォントワークスが初となるオリジナル隷書体「鼎隷書(かなえれいしょ)」を発表
フォントワークスは、2024年10月29日に伝統と革新が生み出す独自のリズム感による隷書の可能性を広げる新たなオリジナル隷書体「鼎隷書(かなえれいしょ)」をリリースした。
新書体「鼎隷書Std B」は年間定額制フォントサービス「フォントワークス LETS」「学生向けフォントワークス LETS」、Webフォントサービス「FONTPLUS」にて、追加料金なく利用できる。
また同日に、高齢者・視覚障がい者(弱視)にとって最適なインクルーシブデザインの概念を取り入れた、和文書体フォントワークス IDフォントも上記サービスに追加された。
▼フォントワークス LETS
▼FONTPLUS
山村佳苗Profile
九州大学大学院芸術工学府修士課程修了。2015年フォントワークス株式会社入社。和文書体ファミリーであるフォントワークス グレコの内、「ニューグレコ」の仮名制作を担当。6歳から書道を始め、大学時代にフォントへの興味が高まり、書体デザイナーの道を志す。
フォントワークス2024年新書体「鼎隷書」
「鼎隷書Std B」は、フォントワークス書体デザイナー・山村佳苗氏による当社初のオリジナル隷書体。
伝統を踏襲しながらも現代的な空気をまとった隷書体であり、歴史的な筆法に添いながらも、メリハリのある骨格と軽やかな平ペン風のエレメントで、リズミカルな形を楽しむことができ、書籍やパッケージ、テロップなど幅広いジャンルで活用でき、新たな可能性を秘めた隷書体となっている。
「鼎隷書」の特長
1.軽やかで現代的な空気を生むリズム感
通常デジタルフォントは正方形の枠内に文字を収めるが、当書体はその枠に囚われることなく、文字の本質を追求した新たな書体となる。
扁平(へんぺい)に描かれた部分や縦に強調された部分があり、文字ごとに明確なメリハリがあり、さらに、文章を組んだときにも背の高い文字と平たい文字が混ざり合うことで、独特でリズミカルな雰囲気が生まれる。
2.堅実なイメージを醸し出す波磔(はたく)
隷書の特性の「波磔(はたく)」と呼ばれる、うねった横の線や右ハライを特に強調している。
この特性は隷書の魅力を生み出し、深い歴史を醸し出す。
「鼎隷書」では、波磔を際立たせることで、現代的な雰囲気の中にも隷書の堅実さを結合したデザインを実現した。
▼波磔(はたく)の例
開発背景などを聞いたデザイナーインタビュー公開中
リリースを記念して、書体デザイナーでる山村氏が書体の魅力を語った記事を公開している。
▼山村佳苗氏インタビュー記事