私はヤギになりたい ヤギ飼い十二カ月
インプレスグループで山岳・自然分野のメディア事業を手がける山と溪谷社は、内澤旬子氏著書による、前代未聞の“ヤギ飼い”イラストルポ「私はヤギになりたい ヤギ飼い十二カ月」を発売した。
春、五頭のヤギが突き飛ばし合いながら草を食べる「騒然!頭突き食事会」。
夏、酷暑と虫との格闘でへろへろになりながら、草の海を刈りまわる。
秋、ヤギたちの大発情祭りを横目に、冬に向けて干し草作り。
冬、チェーンソーで常緑樹の剪定枝を伐りまくり、ヤギと春を待つ――。
旬を外して草をもっていくと、ヤギから「なぜこんな季節外れなものを?」と呆れられ、一度地面に落ちた草は「それ床に落ちたものでしょ?」とそっぽを向かれる。
マイペースなヤギたちとの魅惑の日々が、豊富なイラストとあわせて語られる。
内澤旬子Profile●1967年、神奈川県生まれ。文筆家、イラストレーター、精肉処理販売業。『身体のいいなり』で第27回講談社エッセイ賞受賞。著書に『世界屠畜紀行』『飼い喰い 三匹の豚とわたし』(角川文庫)、『ストーカーとの七〇〇日戦争』(文春文庫)、『内澤旬子の島へんろの記』(光文社)、『カヨと私』(本の雑誌社)など多数。2014年に小豆島に移住し、現在は、ヤギのカヨ、茶太郎、銀角、玉太郎とイノシシのゴン子、ネコの寅雄とともに暮らす。
「私はヤギになりたい ヤギ飼い十二カ月」内容
四月/卯月嬉しや待望のご馳走を刈りとる
五月/皐月あおめき浮かれて噛め呑め若葉は甘露
六月/緑深まり葉も茎も大きく硬く虫育ち駆け抜ける水無月梅雨は干草
七月/豪雨にも耐えて文月カヨパレスからむし刈り取りかたつむり転々
八月/繁る葉の月酷暑でもヤギの食欲衰えず掴み引く蔓
九月/長月ながく酷暑終わらず夏枯れのあと芽吹き花咲きまるで春
十月/天高くヤギ盛る秋酔えば雌雄人獣神無く月仰ぐ
十一月/山眺め色づき落ちゆく葉に焦り霜降る日まで刈り回れ
十二月/食べ尽くせ小春の草々霜降るまでの美味や愛おし
一月/霜枯れて草がなくても大丈夫山の照葉があると山羊啼く
二月/青葉恋しやうづきのヤギ飼い山駆け巡り集める照葉
三月/モリモリと萌え出る美味や草伸びて枯らす無粋も湧く
付章/目を凝らし耳を澄ませる十六夜照る月笑むヤギ潜むイノシシ
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