大学数学のお作法と無作法
インプレスグループで理工学分野の専門書出版事業を手掛ける近代科学社は、2019年6月29日に、藤原毅夫氏著書による「大学数学のお作法と無作法」を発売した。
藤原毅夫Profile●1944年仙台に生まれる。父親の勤務の都合で日本全国いくつかの都市での生活を経験、10歳以降は東京で育つ。東京大学工学部助手、筑波大学物質工学系助教授、東京大学工学部助教授、教授、東京大学大学院工学系研究科物理工学専攻教授を経て、2007年3月定年により退職。2007-2017年東京大学大学総合教育研究センター特任教授。2017年より東京大学数理科学研究科特任教授(数理・情報教育センター研究センター)。工学博士、東京大学名誉教授。
近代科学社とは
株式会社近代科学社は、1959年創立。数学・数理科学・情報科学・情報工学を基軸とする学術専門書や、理工学系の大学向け教科書等、理工学専門分野を広くカバーする出版事業を展開している。自然科学の基礎的な知識に留まらず、その高度な活用が要求される現代のニーズに応えるべく、古典から最新の学際分野まで幅広く扱っており、また、主要学会・協会や著名研究機関と連携し、世界標準となる学問レベルを追求している。
「大学数学のお作法と無作法」内容紹介
「数学」は科学の基盤となる。それをもう少し詳細に分析すると次の三つになる。
1.数学自身が研究・教育の対象
2.自然・社会現象を記述する「道具」
3.自然や社会を正確に述べる共通「言語」
19世紀後半以数学はとくに上記の1.において、「科学」から離れて独自の道を歩む傾向が強くなる。しかし近年、他分野との連携によって数学自身の学問的発展が促されるケースが増えてきている。
また、コンピュータの進歩による計算能力の飛躍的発展が2.と3.の側面への欲求を高めてきている。つまり、周辺科学・工学や社会から、数学の道具あるいは言語としての教育を充実させ、より広く普及させるべきであるという要求が強まっている。「大学数学のお作法と無作法」では、大学レベルの数学に関して、特に2.と3.を身につけるうえで必須のポイントを押さえつつ、著者の長年の教育経験を踏まえて詳述している。
「大学数学のお作法と無作法」目次
第1章 始めに
第2章 言葉の重要性
第3章 数学が分かるとはどういうことか:無作法の勧め
第4章 数学のお作法
第5章 無作法のお作法:近似、精度、誤差、アルゴリズム
第6章 統計現象の取扱い:バラついた値と集団の性質
第7章 歴史から学ぶ証明の重要性
第8章 数学は役に立たない?
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