モリサワが開発中の写研改刻フォント「石井丸ゴシック」「本蘭明朝」「本蘭ゴシック」を発表、写研フォントのメイキング動画も公開
モリサワは、写研とのOpenTypeフォント開発プロジェクトにおいて、「改刻フォント」として「石井丸ゴシック」「本蘭明朝」「本蘭ゴシック」の各ファミリーを開発、2026年以降のリリースを予定していることを2025年3月24日に発表した。
改刻フォントは、オリジナルの写研書体が持つ優美さを残しつつ、現代の環境や用途に合わせてリデザインした新しい書体となる。
写研と、モリサワおよびそのグループ会社である字游工房の3社共同体制で開発を進めているもので、全体監修は、写研出身であり現在は字游工房の書体設計士である鳥海修氏が務めている。
2024年10月には、改刻フォントの第1弾として「石井明朝」「石井ゴシック」をリリースした。
そしてこの度発表する改刻フォントは、写研の創業者・石井茂吉氏がデザインしたクラシックな丸ゴシック体「石井丸ゴシック」、明瞭なデザインの中に伝統的な筆のニュアンスを感じさせるモダンスタイルの明朝体「本蘭明朝」、本蘭明朝と対になる書体として開発された、ニュートラルなデザインの「本蘭ゴシック」となる。
▼開発中の改刻フォント(2025年3月現在)
石井丸ゴシックはファミリー展開を見直し、従来の3ウエイトから5ウエイトに拡張するほか、本蘭明朝は現代の表示環境を考慮してコントラストの再検討を行い、さらに使いやすいフォントを目指して改刻。
そして本蘭ゴシックの改刻では、オリジナルの本蘭ゴシックも開発した写研のデザイナーが自ら関わり、かなのリデザインを進めている。
また、これら改刻フォントのほかにも、写研から提供を受けたアウトラインデータをもとに、不足文字の追加や文字セットなどの仕様を整理した「写研クラシックス」の追加開発も進行中。
▼提供開始時期
2026年以降(未定)
▼対象製品
Morisawa Fonts
※「Select8」など対象外のプランもあり。
写研書体 OpenTypeフォント化開発プロジェクトについて
写研書体は、写研が提供してきた写真植字機および専用のシステムを通じて、1970年代から2000年前後にかけて広く使用されてきた書体。今回のOpenTypeフォント化によって、写研書体がPCやタブレットなどの一般的なデバイスでも使用できるようになる。邦文写真植字機発明100周年となる2024年に43フォントの提供を開始し、今後合計100フォントに及ぶラインナップのリリースを予定している。
現在、写研フォントの開発を記念したメイキング動画を公開中。プロジェクトの経緯や制作の様子をご紹介しているほか、字游工房の鳥海氏、写研・モリサワのタイプデザイナーから、取り組みへの想いを話している。
▼動画視聴はこちら(約13分)
▼写研フォントについて解説しているモリサワ公式noteはこちら