ペンギンごよみ365日
誠文堂新光社は、2020年6月15日(月)に、1年365日それぞれの季節に見る世界18種のペンギンたちの暮らしに思いを馳せる一冊「ペンギンごよみ365日」を発売した。
ペンギンは、その愛らしい表情や剽軽な仕草や動作によって変わることなく多くのファンを持ち、動物園や水族館でも変わることなく常に上位の人気者の位置を保っている。
しかし、世界で18種を数えるペンギンたちが多く生息するのは、凍てつく南極大陸であり、南極大陸をとりまく広大な海に散在する、烈風が吹きすさぶ亜南極の島じま。そのため、観察者が出かけて目にするのは、厳寒のなかで卵を温めつづける親鳥の姿であり、人間でも当たれば痛いほどの雹や霰が降るなかでヒナを守りつづける姿となる。
著者の水口博也氏と長野敦氏は、南極の各地や亜南極の島じまでペンギンの観察と撮影に費やし、科学者としての透徹した観察眼と、すぐれた写真家としての技術によって、彼らの暮らしを観察・撮影する多くの機会を得てきた。
「ペンギンごよみ365日」では、1年365日それぞれの季節、それぞれの場所でとらえられたペンギンたちの美しい写真に出会うことができます。氷の美しさ、空の美しさ、海の美しさを背景にして、愛くるしい表情や仕草には癒やされ、厳しい環境のなかで懸命に生き抜く姿に、いとおしさは倍加されるはず。
南極の極寒の冬、吹雪のなかで2か月にわたって食べものをいっさい口にすることなく卵を温めつづける、コウテイペンギンのオスたちの姿には驚嘆し、親鳥たちの帰りをまって体を寄せあう幼いヒナたちの姿には、彼らが無事に育つことを祈らずにはいられない。
日常を暮らしながら、各ページを通していまこの瞬間に地球の裏側でペンギンたちがどんな暮らしをしているかに思いを馳せつつ、ときに微笑み、ときに力づけられる一冊になるはず。
写真集としても楽しめますが、それぞれの写真に添えられた撮影者による言葉は、ときに温かく、ときに科学的な情報も盛りこまれていて読み応えがある。ペンギンのミニ百科としても活用できて、ペンギンファン必携の書となる。
水口博也Profile●1953年、大阪生まれ。京都大学理学部動物学科卒業後、出版社にて自然科学系の書籍の編集に従事。1984年独立し、世界の各地で海洋生物を中心に撮影をつづけ、多くの著書、写真集を発表。近年は南極、北極など極地への取材も多い。1991年、講談社出版文化賞写真賞受賞。2000年、第5回日本絵本賞大賞受賞。著書に、『シャチ生態ビジュアル百科』『イルカ生態ビジュアル百科』『クジラ&イルカ生態ビジュアル』(以上、誠文堂新光社)、『ペンギンの楽園』(山と渓谷社)、(トル)『クジラと海とぼく』(アリス館)、『ぼくが写真家になった理由』『アマゾンのピンクドルフィン』(トル)(シータス)、『世界の海へ、シャチを追え!』(岩波書店)など多数。
長野敦Profile●1975年、奈良生まれ。京都大学大学院理学研究科修士課程修了。動物の非対称性をテーマに、大学では行動の左右差(利き手)について、大学院では体組織の左右差について研究を行う。現在は会社員として働くかたわら野生生物の撮影を行う。幼少から生物全般に興味を持ち、とくに魚類は幼少期から観察をつづけ、学生時代には独自で近畿圏内の淡水魚の生息分布調査も行う。2003年より本格的に野生生物の撮影を開始。以降、中南米、オセアニア、亜南極、日本を中心に50か国以上で撮影を行う。著書に、『世界で一番美しい ペンギン図鑑』(水口博也氏との共著、誠文堂新光社)がある。
「ペンギンごよみ365日」内容抜粋
1/1 南極の新年、1/4 親鳥の足のうえで、1/12 一家団欒、1/14 似ても似つかぬ、1/16 ジェンツーペンギンの生存戦略、3/2 イワトビペンギンではないものの、3/6 海氷上にたたずむ、3/13 換羽の季節、3/14 ミナミゾウアザラシが休む浜、5/1 マゼランペンギンの所作、5/5 サウスジョージア島のキングペンギン、5/18 波のなかのイワトビペンギン、5/23 大海原のヒゲペンギン、7/5 南極の光、7/21 日帰り旅行、9/9 南半球の春、9/16 アデリーのトボガン、9/21 コウテイペンギンのクレイシ、11/12 スノーヒル島の繁殖地、11/23 求愛のコーラス、11/30 午前三時のワシントン岬、12/30 ケープペンギンの黄昏 ほか
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