フォントワークスがタイプファウンダリ MoolongTypeと提携してLETSに「MLチョコレート」や「MLトカツキ かな」を追加
フォントワークスは、書体デザイナー・木龍歩美氏が設立したタイプファウンダリ MoolongType(ムーロンタイプ)と提携し、年間定額制フォントサービス「フォントワークス LETS」および「学生向けフォントワークス LETS」にて、MLチョコレートなど6書体の提供を開始したことを2024年11月27日に発表した。
MoolongTypeによるフォントワークスへの書体提供は、今回が初となる。
書体は年間定額制フォントサービス「フォントワークス LETS」「学生向けフォントワークス LETS」、Webフォントサービス「FONTPLUS」にて、追加料金なく利用できる。
▼フォントワークス LETS
▼FONTPLUS
■提供書体一覧
▼フォントワークス LETS / 学生向けフォントワークス LETS(全6書体)
・MLチョコレート Regular
・MLチョコレート SemiMelt
・MLチョコレート Melt
・MLチョコレート VF
・MLトカツキ かな R
・MLトカツキ かな Color
▼FONTPLUS(全4書体)
・MLチョコレート Regular
・MLチョコレート SemiMelt
・MLチョコレート Melt
・MLトカツキ かな R
チョコレートペンで書いたような形をした仮名フォント「MLチョコレート」
チョコレートペンで書いたような形をした仮名フォント。
ウエイトはRegular、SemiMelt、Meltの3種類あり、チョコレートが溶けるように文字が太くなっていく。
フォントワークスのLETSで提供するバリアブルフォント MLチョコレート VFは、シームレスに溶け具合を変えることができ、動きのある表現も可能。
木龍氏の「ちょっとした遊び心を込めたい」という想いで制作された、ハート記号のオルタネート(異体字)として「指ハート」といった特徴的な記号も収録している。
※バリアブルフォントの主要な機能であるシームレスなウエイト変更は、バリアブルフォント対応アプリケーションでのみ動作可能。
▼木龍氏によるコメント
バレンタインキャンペーンで使うフォントの制作依頼があり、「文字が溶ける」というアニメーション的なバリアブルフォントを提案したのがこの書体のはじまりです。
バリアブルフォントという概念が2016年に書体のカンファレンスで発表されてから、ウエイトをシームレスに切り替える以外にも、欧文書体ではアニメーション的な可変をしたり、インタラクションでの活用など広がりをみせています。一方で和文書体ではまだ活用事例が少ないと感じており、クライアントワークの機会を起点としてMLチョコレートを開発しました。
フォントそのものに色がついたカラーフォント版の提供「MLトカツキ かな」
丸くカーブした線と鋭い先端が特徴の書体で、ロゴタイプや目を引く見出しにおすすめ。
▼木龍氏によるコメント
文字の形の面白さに振り切ったデザイン書体を作りたいと思い制作しました。日頃、旅行や散歩で街を歩く中で味わいのある看板やサインの文字を写真に撮りためていて、それらの中から着想を得たものです。ぜひ実際に見ていただきたいのですが、トカツキの「ト」は月のような形をしており「トか月か」 から「トカツキ」としました。
フォントワークスのLETSでは、楽しい雰囲気を演出できるカラーフォント。
MLトカツキ かな Colorも提供。赤と黄色の立体表現がポップで楽しい雰囲気を演出する。
MLトカツキ かな Colorは、2つの色を魅力的に組み合わせた立体感のあるデザインが目を引くため、視覚的なインパクトを求められるアイキャッチなどの用途に最適。カラーフォント対応のデザインアプリケーション等で使用できる。
カラーフォント
カラーフォントは通常のフォントとは一線を画す、複数の色やグラデーションが特徴のフォント。文字をアウトライン化や画像化することなくテキストのまま、エレメントごとに異なる色やテクスチャーを適用することができるため、オンスクリーンでの利用に優れている。カラーフォントが色付きで表示される仕組みである「SVGアートワーク」をサポートしていないソフトウェアでは、字形がベタ黒字で表示される場合がある。
MoolongType
MoolongTypeとは書体デザイナーの木龍歩美氏が2021年に設立したタイプファウンダリ。
木龍氏は日本大学芸術学部を卒業後、砧書体制作所を経て、2021年にMoolongTypeを設立。
MoolongTypeからリリースされたMoolong トカツキは、日本タイポグラフィ年鑑2023にてベストワークを受賞。