ドキュメント豪雨災害
「令和」が始まった日本。当然のように令和にも台風がやってきた。
そんな中、インプレスグループで山岳・自然分野のメディア事業を手掛ける山と溪谷社は、谷山宏典著「ドキュメント豪雨災害 西日本豪雨の被災地を訪ねて」を発売した。
谷山宏典Profile●1979年愛知県生まれ。明治大学文学部史学地理学科卒業。大学在学中に体育会山岳部に所属し、卒業後の2001年には明大隊の一員としてガッシャー ブルムⅠ峰(8068m)と同Ⅱ峰(8035m)に登頂。その後、編集プロダクション勤務を経て、09年フリーのライターに。雑誌やウェブサイトでの記事執筆、単行本のブックライティングなど、幅広く活動する。著書に 『登頂八〇〇〇メートル』『山登りABC 難所の歩き方』『鷹と生きる 鷹使い・松原英俊の半生』(いずれも山と溪谷社)がある。
災害から命を守る方法をまとめた「ドキュメント豪雨災害」
人はなぜ逃げ遅れてしまうのか?
全国で一日に200ミリ以上の激しい雨が降る日数は、この40年間で1.5倍に増えている。同時に、これまでの観測記録を大幅に上回る豪雨による災害や被害も増えつつある。なかでも、2018年7月に発生した西日本豪雨では、死者・行方不明者245人、全半壊した住宅は2万棟に迫り、床上浸水は7173棟、床下浸水は2万棟以上という水害としては近年で最大規模の被害が発生した。
堤防の決壊や土砂災害なども発生するなか、助かった命と、失われた命を明瞭に分けたのは、避難勧告・指示が出された後の行動にあったと言われている。
例えば広島県では、最大で236万人に避難勧告・指示が出されたが、避難所への避難が確認されたのはわずか1.7万人(0.8%)に留まった。
それでは、人はなぜ逃げ遅れてしまうのか? そして、どうすれば命が助かったのか?
その答えを探り、現地取材を重ね、専門家の意見とともにまとめたのが「ドキュメント豪雨災害」。
「ドキュメント豪雨災害」で伝えていること
〇避難訓練は役に立つのか?
〇正常性バイアスや同調性バイアスといった人間の行動心理
〇インフラへの過信
〇情報だけでは人は動かない
〇自主防災組織は有効か
などの切り口で鋭く豪雨災害とその避難の実態に迫ります。また、明暗を分けた行動や準備、被災後の活動についても紙面で再現。
〇110世帯全てが避難し、ひとりの犠牲者も出さなかった岡山県総社市下原地区。
〇ITを駆使して、雨量計から独自に警報メールを出すシステムを開発した広島市安佐北区の団地の事例。
〇LINEグループから被災後の助け合いコミュニティを立ち上げ、そこから避難住民のための炊き出しなどの活動をスタートした岡山県倉敷市真備町川辺地区の事例。
〇災害後の住民の心のケアと情報集積地としての役割を担う広島市安佐南区の地域交流拠点の事例。
家族の安全と責任ある行動について関心がある人はもちろん、学校や会社・団体などの組織に関わる人、防災関連の行政関係者、自治体や団地やビルなどの防災に関心が高いすべての人に必読の書となっている。
避難行動の4つの指針
人は自分の身に危険が迫っていても、その危険を実感できずに逃げ遅れてしまうことが専門家から指摘されている。それではどうすれば、適切な避難ができるでしょうか。
「ドキュメント豪雨災害」では次の4つの指針を掲げている。
1.自分が暮らす地域の過去の災害歴や地理的な特徴を知る
2.避難行動を起こす自分なりのルール、避難方法をあらかじめ決めておく
3.大雨や台風の時には、自分から情報を取りに行く
4.あらかじめ決めたルール・方法に基づき避難行動を起こす
なぜこれらの指針が有効か、そしてそれを徹底するために必要な準備などについては「ドキュメント豪雨災害」に詳しく書かれている。
「ドキュメント豪雨災害」目次
序 章 生活の消えた町……… 13
第1章 西日本豪雨の被災地を訪ねて……… 25
西日本豪雨 概要……… 26
事例1 岡山県倉敷市真備町有井地区……… 36
事例2 岡山県倉敷市真備町川辺地区……… 53
事例3 岡山県総社市下原地区……… 68
事例4 広島県広島市安芸区矢野東 梅河団地……… 80
第2章 人はなぜ逃げ遅れるのか……… 99
第3章 生き延びるためにすべきこと……… 127
第4章 ポスト災害 ?町と人の再生に向けて?……… 167
終 章 人とのつながりを土台に ……… 219
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